電動キックボード「ヘルメット任意」実証実験が新たに地方で開始 販売事業者が行う意義

シェア事業者だけのルールじゃない

 シェア事業者の車両も含めて、前出したヘルメット着用任意の特例は、あくまで国の制度を活用した実証実験の参加事業者の車両に限って適用されます。

 しかし実際に法改正が行われれば、そのルールはシェア事業者に限らず一般の電動キックボードにも適用されるため、「販売事業者から提言を行っていくためにも実証実験に参加する必要性を感じています」(SWALLOW合同会社)とのこと。現に、一般の電動キックボード利用者が、ヘルメットを着用せずに乗れると勘違いして、警察に摘発される事例も起こっているそうです。

 シェア事業者の場合、その舞台となるのは都市圏です。対して今回は、ロボットテストフィールドの入居事業者が、1.7kmほど離れたコンビニエンスストアや、南相馬市産業創造センターなどへの日常的な行き来に使用します。走行エリアには幹線道路の国道6号の一部もあるものの、それ以外は「ほぼ田舎道」だそう。地方と都市圏とで同じルールであるべきなのか、といった提言も、実証実験での知見をもとに行っていきたいといいます。

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SWALLO合同会社が一般販売している電動キックボード「ZERO9」。こちらは坂道などパワーが必要な場所を想定して最高40km/hまで出る(画像:SWALLOW合同会社)。

「義足の人や、喘息の人、あるいは痛風で足が痛くて自転車に乗れないという人もいます。ハンディキャップを抱えた人でも簡単に乗れるのが電動キックボードです」(SWALLOW合同会社 金さん)

 そうしたなか、電動キックボードのスピードや「怖さ」は、人により感じ方が異なるといいます。「原付くらいのスピードを出してそれなりの距離を移動したいという人もいれば、速いスピードでは怖い、クルマと並んで走るような道は通らない、という人もいるでしょう」とのこと。都市の道路事情を中心に全国の意見はすくいきれないと話します。

 警察庁は有識者会議で、小型モビリティを「速度」と「大きさ」で分類し、最高速度15km/h以下ならば免許不要でヘルメット着用任意、歩道走行可能にし、それ以上のスピードならば原付に分類するという案を、2021年4月に中間とりまとめとして打ち出しています。しかし、この速度についても「15km/hは遅すぎる」といった意見があり、今後、大きな議論が予想されます。

【了】

【一覧】実証実験機と一般の電動キックボード「ルールの違い」

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コメント

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2件のコメント

  1. 40年以上前に隣のクラスの男の子がローラースルーゴーゴーに乗っていて事故に遭って還らない人になった。その原因は当時ブレーキがなかった以外にもあるのではと校内で噂になったものだ。

  2. 頼むからこれ以上面倒な実証実験は止めてくれ!自転車も満足に走れない道路じゃキックボードなんて到底無理にきまってます!