ロシア製二重反転ヘリコプター「Ka-226T」の最新型 MAKS-2021で初お目見え
胴体中央部の交換可能なミッションポッドは健在です。
テールローターがない特徴的なヘリの最新型
ロシアの国営企業ロステックは2021年7月23日(金)、モスクワで始まった航空ショーMAKS2021において、二重反転ローター式のヘリコプターKa-226シリーズの最新型である「Ka-226T」の最新型を初めて公開しました。
Ka-226は、1965(昭和40)年8月15日に初飛行した旧ソ連製のKa-26が原型の小型汎用ヘリコプターです。Ka-26が搭載するピストン駆動のレシプロエンジンを、コンパクトなターボシャフトエンジンに換装、回転翼も形状を一新し、機首も視界の広い形に改めるなどして1997(平成9)年9月4日に初飛行しました。
そうして生まれたKa-226のエンジンを、高出力のフランス・チュルボメカ(現サフラン)製ターボシャフトエンジンに更新し、高々度および高温下での飛行性能を向上させたのがKa-226Tです。あわせてコックピットにマルチディスプレイを導入し、飛行制御システムやナビゲーションシステム、レーダーを備えるなど、アビオニクスを一新しました。
今回、MAKS2021で初公開されたKa-226Tの最新型は、さらに高々度における飛行性能を向上させたほか、最新の飛行制御システムを導入して強い横風にも耐えられるようにしたとのこと。これにより洋上に浮かぶ小型船舶の甲板でも発着できる性能を持つまでになったほか、振動が少なくなり、機体のコントロールもしやすくなっているといいます。
加えて飛行速度も速くなったため、運用範囲が広がったそう。ロステックによると今秋、試作機による飛行試験を開始する予定とのことです。
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