2021.10.14「鉄道の日」リニア工事 大きく動いた日に 中核車両基地 そして巨大ドリル
10月14日「鉄道の日」。2021年のその日は、リニア中央新幹線の工事が大きく動いた日になりました。東京と岐阜で、それぞれ大きな進展が発生しています。
東海道新幹線の浜松工場より広く高機能
日本初の鉄道が1872(明治5)年のその日、新橋~横浜間で開業したことにちなむ、10月14日「鉄道の日」。
2021年のこの日は、品川~名古屋間で行われているリニア中央新幹線の工事が、大きく歩みを進める日になりました。
まず、東京と神奈川の大深度地下を行く全長37kmもの「第一首都圏トンネル」を掘るべく、品川駅付近の地下およそ80m地点から、巨大ドリル(シールドマシン)が水平方向に発進。超電導リニアが500km/hで走る本線トンネルの掘進(調査掘進)が開始されました。
第一首都圏トンネルの本線トンネル掘削は、これが最初。まず調査掘進として状況を確認しながら始めたのち、本格的な掘進に入る予定といいます。シールドマシンを使ったリニア中央新幹線本線トンネル掘進自体も、今回が初です。
ちなみに、中央新幹線の品川~名古屋間は約286km。その13%が第一首都圏トンネル、ということになります。南アルプストンネルの長さは約25kmです。
そしてこの10月14日(木)、岐阜県中津川市では、「中央新幹線中部総合車両基地ほか新設工事」が着工されています(準備工事は以前から実施)。
中部総合車両基地では、リニア車両の留置のほか、オーバーホールも可能。リニア中央新幹線において中核となる車両基地です。東海道新幹線でいえば、浜松工場に車両留置機能などが加わった形でしょうか。
そんなリニア中央新幹線において特に重要な車両基地の工事も、2021年の「鉄道の日」、始まりました。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
東海道新幹線の需要が元に戻らないことを懸念する声がある中、リニア事業をあくまでも継続しようとすることによりJR東海の経営が脅かさなければよいですね。