ロッキード=「トライスター」ではない? 妙な形の爆売れ機「コンステレーション」
かつて民間航空機メーカーの一大勢力だった米・ロッキード社の旅客機といえば、ANAも採用した「トライスター」が知られますが、ベストセラーは別にあります。日本人には馴染みのないものの、“ロッキードらしさ”溢れた機種でした。
4発プロペラ旅客機の「コンステレーション」
いまでこそアメリカの民間航空機メーカーといえば、ボーイング社一強ですが、かつてはライバル社がいくつかありました。いまやボーイングの一部となってしまったダグラス社、そしていまや民間機から手を引いてしまったロッキード社です。
ロッキード社は、第二次世界大戦前からの老舗航空機メーカーで、イメージとしては王道のボーイング社、質実剛健なダグラス社に対し、いくぶん“かっ飛んだ”ルックスのモデルを生み出す印象を筆者は受けます。日本で最も知名度の高いロッキード社の旅客機といえば、ANA(全日空)も採用した3発ジェット旅客機L-1011「トライスター」がダントツでしょう。
ただ世界的に見ると、ロッキード社の民間航空機のベストセラーは「トライスター」ではありません。1940年代中盤にデビューした4発プロペラ旅客機の「コンステレーション」シリーズです。
もちろんこの「コンステレーション」も、ほかの米国メーカーのモデルよりも“かっ飛んだ”ルックスといえるでしょう。やけに長い脚が備わり、腰高な見た目で、胴体も一般的な筒状ではなく、細い機首から中央部にかけて直径が太くなり、主翼後方から後部にかけてまた細くなる――という独特なデザインをしているのです。胴体尾部には、3枚の垂直尾翼が並びます。
たとえば「The・プロペラ旅客機」というようなスタンダードなデザインとしているダグラス社のライバル機DC-4、DC-6Bなどとは対照的で、ある意味ロッキードらしさあふれるモデルといえるのかもしれません。
ちなみにロッキードの「コンステレーション」には「空の貴婦人」というニックネームもついていました。このニックネームはのちにジェット旅客機のダグラスDC-8にもつけられ、日本人にはDC-8の方がよく知られることになります。
これスーパーコニーって愛称じゃなかった?
妙な形という感性に鼻白ぐ。流麗で流れるようなラインの、最も美しいスタイルの飛行機だと思い、オールドプレーンの中で一番好きな機体。
ちょっと猫背なところもかっこいいC-121