前脚が左にずれた異形の旅客機 ホーカー・シドレー「トライデント」 なぜこうなった
現行の旅客機は、前脚が胴体の中心に備わっているのが一般的です。ところがかつて前脚が左側にずれたユニークな形の旅客機、ホーカー・シドレー「トライデント」がありました。なぜこのような形を採用したのでしょうか。
飛んでいる姿はB727、Tu-154と似ているものの
2020年4月現在、航空会社で運航されている旅客機は、機首側についた車輪、前脚が胴体の中心に備わっているのが一般的です。ところがかつて、その概念を覆すような異形ともいえるモデルがありました。ホーカー・シドレー(現BAEシステムズ)のHS121型「トライデント」旅客機です。
「トライデント」シリーズは、3発のジェットエンジンとT字尾翼を備えた旅客機で、1962(昭和37)年に初飛行しました。上空で車輪を格納したときの見た目は、ボーイングの727型機や、旧ソ連のツポレフ設計局(当時)によるTu-154型機と多くの類似点が見られます。
しかしその車輪を露出したとき、「トライデント」にしか見られない大きな特徴が現れます。このモデルの前脚は、胴体中心より左に約60cmずれてついているのです。前脚をしまうとき、多くの現行旅客機は、前、もしくは後ろに引き込まれるのに対し、この「トライデント」は横方向に引き込まれます。
このようなユニークな形が採用されたのには、「トライデント」の大きな強みにも関係する理由があるそうです。
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