カワサキ「W」シリーズは何がスゴイのか? 50年以上続く最古参モデル 何度もあった空白期間

やっぱりWは欠かせない? 3度の空白経て復活

 その後、1973(昭和48)年にはカワサキ車で初めてフロントダブルディスクブレーキを採用し、大幅に性能をアップさせた「W3」が誕生するのですが……、翌1974(昭和49)年から実に25年もの間、Wシリーズは世間から姿を消すこととなります。

 転機が訪れたのは1999(平成11)年のこと。「W650」の発売でWシリーズが復活を果たします。同シリーズの伝統である360度クランクの並列2気筒エンジンという点は踏襲しつつ、ベベルギア(傘のような形の歯車)によるカムシャフト駆動を搭載することでスペックを高めました。

 こうして四半世紀にわたりビッグバイクの代表車種として知られてきたWシリーズですが、2006(平成18)年には「W400」が登場。普通自動二輪免許(いわゆる中型二輪免許)で乗ることができるWシリーズの登場は、大きな転機になりました。

 しかし、排ガス規制が厳格化され、Wシリーズは2009(平成21)年にいったん生産が終了。そこで生まれ変わって登場したのが2011(平成23)年の「W800」でした。これも、さらなる排ガス規制により2016(平成28)年に一度は生産を終了したものの、2019年に復活しました。

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戦前の目黒製作所へのオマージュを全面に打ち出したMEGURO K3(画像:カワサキモータース)。

 3度の空白を経てもなお、Wの血脈を現在に受け継ぐ――そうしたカワサキの意思の象徴ともいえるのが、前出した「MEGURO K3」です。戦前に設立し大型バイクで確固たる地位を得て、1960年代に川崎グループへ統合された目黒製作所。統合後に生産されたカワサキ「MEGURO K2」は、Wシリーズの礎を築いたモデルでした。50数年ぶりにその名を冠して復活した「MEGURO K3」は、K2の後継であることを示しています。「MEGURO K3」もまた、2022年モデルが発売される予定です。

【了】

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Writer: 山崎大悟

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