世界初 大型旅客フェリーの無人運航成功! 東京九州フェリー「それいゆ」 実用化への5合目
無人運航の実現でどう変わる?
日本財団は2021年度内に、今回を含め5つのコンソーシアム、6隻の船による無人航行の実証実験を立て続けに行います。そして2025年には、無人航行船を実用化させ、2040年までに内航船の50%を無人航行とする目標を立てています。
その目的は、「無人運航船の普及を通じ、日本に物流革命を起こすとともに、海運国日本の実力を世界に示す」とされています。
日本財団の海野光行常務理事はさらに、「日本主導での(無人運航に関する)ルール作りをIMO(国際海事機関)に提言します」といい、ルールを制する者が市場を制す、と強調。こうした無人化・自動化は個社での開発だと時間を要し、国際基準化や標準化の競争に遅れる恐れがあることから、日本財団が業界全体を主導する役割を果たしています。
背景には、少子化により船員の獲得が難しくなっていることや、内航海運の船員の半分が50歳以上という高齢化の問題などがあります。また、海難事故の8割が人為的要因だそうです。無人化・自動化により船員ひとりあたりの労務負担を軽減するといいます。
さらに、こうした新しい技術により、中国や韓国に押される日本の造船業界を再興する目的もあります。
「実証実験を経て、法制化に向けた整理を進めるとともに、事故が起こった時の責任の所在、保険の在り方などを明らかにしていきます。また、通信のセキュリティなどの対処も、これから整理すべき課題です」(日本財団 海野さん)。
【了】
コメント