単通路機の革命児 エアバスA321XLRは敵なしか 航空会社熱望の性能 かつての名機と共通点

エアバスが開発を進める小ぶりな単通路でも長距離を飛べる旅客機「A321XLR」。実はボーイングが初めて実用化させたジェット旅客機「707」との共通点があります。そこから、A321XLRの可能性を見ていきます。

2023年就航を目指す

 エアバスが現代では珍しいコンセプトの単通路旅客機「A321XLR」の開発を進めています。同機は2021年12月に最終組み立てが終わり、2023年の就航を目指しています。

 機内の通路が1本のみでボディも小ぶりな単通路機は、現在、比較的短い距離の路線を担当することが一般的です。対し、この「A321XLR」は長距離路線も飛べる単通路機というコンセプトを打ち出しています。ちなみに、「XLR」は「エクストラ・ロング・レンジ(超長距離)」の略です。

 実は半世紀以上も前に、この機とスペック上の共通点の多い旅客機が、世界を飛び回っていました。エアバスのライバルであるボーイング初のジェット旅客機「707」です。

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エアバスA321XLRのイメージ(画像:エアバス)。

 まずは、A321XLRのスペックを見ていきましょう。

 A321XLRのベースとなったA321は、エアバスのベストセラー機「A320」の胴体を約7m伸ばし、全長を44.51mにしたモデル。標準席数は2クラス180-220席で、ジェット旅客機としては比較的小型のものに分類されます。

 そして航続距離ですが、A321XLRは、公表値の最大席数244人を乗せて8700kmを飛ぶことができます。東京からなら、豪シドニーや印デリー、米アンカレッジまで給油しないでフライト出来ると言われています。これは、1万2900L入りの後部中央燃料タンクをA321LRに追加したためです。

 A321XLRの元になったA320は、大きな空港をいったん経て小さな空港に行く「ハブ・アンド・スポーク方式」が広まると、小さな空港間を直接行き来したい、ニッチ(隙間)を埋めたい航空会社のリクエストなどを受けるようにして生まれました。その後、LCC(格安航空会社)を始めとするさまざまな顧客が増えるなか、より多くの乗客を遠くまで運ぶことが出来るようにしたいとの声に応えたのが、A321「エクストラ ロング レンジ(超長距離)」です。

 続いて、ボーイング707の各種スペックを見ていきます。

【すげえ…】エアバスA321XLRのスペック

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