「翼が3対」の超異形旅客機開発へ 「破壊的新設計」ゆえのモンスタースペックとは
どっちかというと旅客機というより「使徒」…。
264席で2万km弱の超ロング飛行も可能
アラバマ(アメリカ)のスタートアップ企業「SE Aeronautics」が2021年3月、新型旅客機プラン「SE200」のコンセプトを発表しています。同社が「破壊的な新設計(disruptive new design)」という最大264人乗りの新型旅客機のフォルムは、これまでのものとは大きく異なるものです。
これまでの旅客機は、胴体側面中央に大きな主翼、後部に小さな水平尾翼がつくのがスタンダードでしたが、「SE200」は、主翼に相当する大きな翼が、胴体前、中、後部に3対備わります。この見た目はまるで「蜘蛛」やTVアニメの”超巨大モンスター”のよう。
同社によるとこの翼構成は、「効率的で軽量な翼構成」で、「短距離離着陸(STOL)機能と長距離飛行で高い効率を発揮する」設計だそうです。なお、カタログスペック上の航続距離は、地球半周分(約2万km)にほぼ相当する、1万500ノーティカルマイル(約1万9400km)としています。
また、複合材が使用される機体の製造方法もポイントとしています。これまでの旅客機では、各パーツごとに製造され、最終組立工場でそれらを合体するのが一般的でしたが、「SE200」では、翼と胴体を一体化し成形するとのこと。「頑丈な素材で胴体を一体化して製造することで、製造にかかる日数を削減できるほか、機体の寿命を2倍にすることできる」そうです。なお、カタログスペック上の全長は140フィート(約43m)、全幅は116フィート(約35m)としています。
「SE200」の最大のポイントは、この見慣れない新設計を採用したことで、非常に「エコな旅客機」となっていることだそうです。同社によると、1席あたりの燃料消費量が従来機より約70%削減され、二酸化炭素排出量が約80%削減できるといいます。このほか同機には、「緊急着水時に水に浮くよう設計されている」「キャビン内の空気を再循環させない空気循環システムを導入し、衛生対策をより高める」といった機能が盛り込まれることが発表されています。
【了】
カタログスペックは凄いね。 カーボンファイバー系の一体型構造だとして、これだけの大きさの構造物を焼き上げる焼成炉(オートクレープ)は、馬鹿でかいものが必要になるね。 ホンダジェットも胴体は一体成形だけど、小型機だから為せる技。
主翼を含む一体焼成となると、焼きムラが生じないようにするだけでも困難さが付き纏うね。
想像図からしてマッハに近い速度での飛行は無理な様だけど、後部にはターボファンエンジンらしきものが一基搭載されてて、これ一基で飛行するとすれば排出CO2の大幅削減も可能かな?
水に浮くからとゆって、推進機関を一つにして万一エンジン故障で海面に不時着した場合も対応可能としているのかしらん?
たしかにエコかもだけど、従来の倍近い飛行時間を要するんぢゃね?
speedは画像の要目表に0.9マッハとありますね。
コンセプトモデルであって、このまま実際に作るわけではないのでスペック上は何とでも言えますね。
個人パラシュートを座席下に脱出可能に
破壊的新設計と銘打たれているが、タンデム翼(主翼を前後に並べる)の機体は昔にもありましたよ。
ただし
・複数並べるより、同じ大きさの一枚にまとめた方が重量が減らせること
・前の翼が後ろの気流を乱すため、後ろの翼は前の翼より揚力(機体を持上げる力)が減ること
等、欠点が多くて今は作られていませんが…
機体の設計をする人間なら知ってて当たり前のはなしです。
これを本気で作るなら、その分の資金を他に回す方が賢明ですがね。