ホンダ手前の「碓氷峠」? 芳賀・宇都宮LRT最終区間の急坂 その姿が見えてきた

2023年3月の開業を目指す芳賀・宇都宮LRTのなかでも、全容がなかなか見えなかった終点付近の軌道工事が進んでいます。電車がラストスパートをかける「谷間の区間」ができつつあります。

LRTの終点に急坂あり!

 宇都宮市域で2023年3月の開業を目指し、次世代路面電車「芳賀・宇都宮LRT」の整備が行われています。終点付近にあたる芳賀町内では、2022年4月末現在、全線のなかで「最後のハイライト」になるであろう区間の全容が見えてきています。

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芳賀・宇都宮LRT終点近くの谷。芳賀町工業団地管理センター前~かしの森公園前間。線路は道路の真ん中に敷設(乗りものニュース編集部撮影)。

 LRTは宇都宮駅東口から鬼怒川を越え、河岸段丘の上にあたる清原工業団地、ゆいの杜地区を経由し芳賀町へ入ります。終点の芳賀・高根沢工業団地周辺は“ホンダ村”とも呼べる本田技研工業関連の工場エリアです。

 ゆいの杜地区から左へカーブした先に、ホンダの体育館が見えるのですが、その手前にV字型の谷があり、電車は道路の真ん中を地形に沿って進みます。芳賀町のLRT整備課によると、この区間は最大勾配60パーミルになるそう。

 60パーミルといえば、かつての「碓氷峠」に近い数値です。登山鉄道などを除く日本の幹線鉄道で最も急勾配だったのは、旧JR信越本線の横川~軽井沢間、碓氷峠を越える66.7パーミルでした。

 碓氷峠の勾配は特例的に誕生したものですが、路面電車となると話は別。実は東日本唯一の路面電車である都電荒川線の王子駅前~飛鳥山間も、66.7パーミルの急坂です。しかしながら都電が1両ないし2両なのに対し、宇都宮のLRTは3両編成ですから、印象は異なりそうです。

 LRTにおけるホンダ手前の谷は、実際に見ると勾配がさらにきつそうですが、芳賀町のLRT整備課によると、今後は道路を最大80cmかさ上げする予定だといいます。

 ちなみに芳賀・宇都宮LRTは、ここ以外にも全体的にアップダウンの多い線形になる見込みで、車両の性能としては、軌道建設規定に定める最急勾配67パーミルまで対応しています。これは将来的に宇都宮駅の西側へ延伸するにあたり、JR線乗り越し部などに急勾配が生じるのを想定しているからです。

【了】

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1件のコメント

  1. そういえば、京津線ってどれくらい坂が急だった?