11年ぶり復活“闇夜のトロッコ列車”上がる悲鳴 京都の納涼鉄道ツアーが最後まで怖い

近寄ってくる白いワンピースの女性たち

 走行中も、白いワンピースの女性たちは車内をゆっくり歩き回ったり、参加者の近くに座ったり。その様子に車内では時折悲鳴が上がります。

 窓から入ってくる風は一段と冷たく感じられて、ずっと背筋がゾクゾク。窓ガラスがない、吹きさらしの5号車「ザ・リッチ号」に至っては、心細さも倍増です。

 暗い車内ではいつも以上に列車の走行音が大きく聞こえるような気もして、不穏な雰囲気に包まれます。非常灯などのかすかな光で、女性たちの白いワンピースがほのかに浮かび上がって、怖いことといったらありません。

 トロッコ亀岡駅が近づいて、駅とその向こうに見える市街地の明かりが見えたときの安堵感は当分忘れられないでしょう。気づけば、暑さではない理由で喉がからからに渇いていました。

 トロッコ亀岡駅到着後はバスに分乗し、20分ほど走って山中の宿泊施設へ移動。真っ暗な車中で、施設の広間でそれぞれ怪談を楽しみました。ようやく一夜も終わりかと思った矢先、クライマックスには、また、例の白いワンピースの女性たちが登場……!

 全年齢対象のイベントとはいえ、最後まで不気味さ、怖さは十二分。残暑を吹き飛ばす涼しさが感じられたイベントでした。嵯峨野観光鉄道によると、トロッコ列車を利用したミステリーイベントは11年ぶり。前回の「怪奇トロッコ列車 京都保津川2時間サスペンス」が「鉄旅オブザイヤー」に輝くなど好評を博したことから、再びの開催となったそうです。

【了】

【乗り込んでくる「招かれざる乗客」の姿】

Writer: 鶴原早恵子(鉄道好きライター)

大人になってから急に鉄道が好きになったフリーライター。地元・京都中心に、時間ができればあちこち乗り&撮りに行きます。駅で行き交う列車や人を眺めているだけで元気が出てくる。ローカル路線、海が見える路線・駅、駅カフェが好き。

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