沖縄の“かなり安い”高速道路料金「継続を」 知事の要請は課題解決になるか
沖縄県の高速道路だけに適用されている、全車種35.5%の特別割引や、独自の料金体系が継続される見込みです。背景には、解消されない、沖縄ならではの課題が存在します。
玉城デニー知事「延長をお願いしたい」
沖縄県と同県市長会、同県町村会の3者は連名で2022年11月7日、沖縄道の独自料金と割引制度の継続を岡田直樹沖縄担当大臣に要請しました。
内閣府の大臣室を訪れた玉城デニー知事は、こう話しました。
「沖縄本島の北部市町村からの要望も高い。引き続き延長をお願いしたい」
岡田直樹沖縄対策担当相は次のように答えました。
「沖縄の振興予算の確保は必要な事業を進める上での予算なので、財務当局としっかり折衝する」
「沖縄道」は1987(昭和62)年、国道329号を高速道路としてスタートし、石川IC~那覇IC間が有料道路になりました。2005(平成17)年にNEXCO西日本へ道路管理が移され、その他の地域と同じ高速道路会社が管理する自動車専用道となりました。
現在の沖縄道の総延長は57.3km(那覇IC~許田IC)。通行料金のキロ単価は、那覇IC~石川IC間は、全国地方部と同じ普通車24.6円/kmですが、石川IC~許田IC(25.9km)は普通車20.98円/kmの特別料金が設定されています。特別割引として、全日・全区間で35.5%割引が適応されます。
東名高速の場合、ほぼ同距離の地方部の区間、例えば静岡IC~袋井IC間は1720円かかります。大都市部を含む東京IC~大井松田ICならば1920円です。対して、那覇IC~許田ICの全線を走行した場合は普通車1040円。これに加えて、平日朝と夕方の多頻度割引最大50%や、0時~4時までの深夜割引30%が重複適用されます。
しかし、特別割引(35.5%)は2023年3月末までの期間限定。延長を求める背景について玉城知事は、こう話します。
「(沖縄道は)沖縄県の唯一の高速移動手段であると同時に、北部振興や物流の観点からも、来島する観光客にとっても、非常に重要な道路として運用されている。移動に支障をきたすことがないよう引き続き運用を続けていただきたいとお願いした」
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