尖閣警備の期待の星 海上保安庁の最新巡視船「やえやま」進水 姉妹船も続々計画中
姉妹船さらに3隻が建造予定
なお、みやこ型巡視船は2021年度の補正予算で、さらに3隻分の新造整備が予算化されており、いずれも2026年2月までの就役を予定しています。3隻の大型巡視船が同じ時期の竣工を目指して一気に新造されるため、どこの造船所で建造されるかも注目ポイントでしょう。
海上保安庁は2016年に決定された「海上保安体制強化に関する方針」を踏まえ、法執行能力、海洋監視能力、海洋調査能力、この3点に軸足を置いて強化を進めています。
ゆえに、同庁は2025年度までに練習船を含む大型巡視船の隻数を81隻まで増強する計画で、大型巡視船や航空機の新規整備などを盛り込んだ2023年度概算要求では総額2530億円を計上しました。
さらに、2022年末までに改定される国家安全保障戦略の取り組みのなかで、巡視船の増強と老朽代替の促進や長寿命化の推進、無操縦者航空機(いわゆるドローン)をはじめとした新技術の活用による監視能力の強化や自衛隊との連携強化、諸外国の海上保安機関との協力体制の強化などを図っていくとしています。
海上保安庁は巡視船「みやこ」をはじめとする3500トン級のPL型について、「海洋権益の保全、治安の確保、海難救助、海上防災などの海上保安業務全般を担う主力船型」として位置づけており、「耐航性、動揺安定性、長期行動能力を持つPL型巡視船の整備を緊急に進めていく必要がある」と明言しています。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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