露が破壊した世界最大の飛行機「An-225」過去にも一度“瀕死”に? 唯一無二となったワケ

ロシアによるウクライナ侵攻によって破壊され、世界に1機しかない「世界最大の飛行機」An-225「ムリヤ」はなぜ生み出されたのでしょうか。そのユニークな経緯に迫ります。

瀕死からの復活…An-225「ムリヤ」の足跡

 An-225「ムリヤ」は、An-124「ルスラン」をベースとし、胴体の15m延長や脚の追加、エンジン数の追加、尾翼の設計の見直しなどの変更が行われました。初飛行は1時間30分実際され、その後も航空ショーへ「ブラン」を輸送するなどのミッションも担当。しかし1991年、ソ連が崩壊。「ブラン」計画もこれで打ち切りとなり、An-225「ムリヤ」は“宝の持ち腐れ”のような状態となってしまいました。

 ウクライナ籍となったAn-225「ムリヤ」ですが、運用するにはコストがかかりすぎたようで、部品製造も2機分用意されましたが、完成したのは1機のみ。一時期は、An-124「ルスラン」などに使用するべく、エンジンなども取り外されていました。

 そのような状態が続き2000年に入るかどうかというとき、アントノフ設計局の関係会社でもあるアントノフ航空などがAn-225「ムリヤ」を民間機として復活させる計画を公開します。その後、航法装置の刷新や新たな空調システムの設置、貨物室の床の強化などの改修を経て、2001年に復活し、再び空へ戻りました。

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2010年9月、自衛隊の海外派遣を支援するために仙台空港へ飛来したAn-124「ルスラン」(柘植優介撮影)。

 復帰後のAn-225「ムリヤ」は、他機では真似のできない収容力や大きさから、世界中から引き合いがある貨物機となりました。同型機を用いた空輸業務はここ日本でも実施され、成田空港、中部空港などへ飛来。2011年の東日本大震災の際には、フランス政府からの災害救援物資を運ぶなど、少ないながらも「大きなヒーロー」として航空ファンなどの記憶に残る活躍を見せていました。また、この機は、ある意味「ウクライナの象徴」的な存在であり、2021年のウクライナ独立30周年を祝賀するイベントでは、首都キーウ上空をフライトしています。

 このようなストーリーを持つAn-225「ムリヤ」の破壊は、世界の航空ファンを悲しみの渦に巻き込みました。なお、2022年11月にはアントノフ社が公式SNSで、大破した「ムリヤ」を終戦後に修理する計画があると発表しています。具体的な計画は発表されていませんが、この機が再び空を飛ぶことができるのか、ウクライナ情勢の終結とともに関心を集めるところです。

【了】

【写真】どこから見ても怪鳥! An-225「ムリヤ」の全貌&機内

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