H3ロケットも“爆破”「指令破壊」はなぜ行われるのか そのコマンドを送信する瞬間

2023年3月7日、打ち上げに失敗したH3ロケット1号機は遠隔操作で破壊されました。なぜ、このようなことが必要だったのか、「指令破壊」に至るプロセスと、そのやり方について解説します。

指令破壊の判断に至る3ステップ

 指令破壊の判断を下すまでは、3つのステップがあります。

・ステップ1:飛行中のロケットが予定外の動きをする

・ステップ2:これ以上飛行しても成功の見込みがないと判断される

・ステップ3:指令破壊コマンドを送信する

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鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた直後のH3ロケット(画像:霧島/東京とびもの学会)。

 JAXAの場合、一連の流れは全て専門の訓練を積んだ職員が担っています。今回の例で言えば、2段目の点火が確認できなかったことが想定外の動きで、本当に復旧しないか確認の上でコマンド送信という流れになっています。関係者にとっても不意打ちだったようで、記者説明会では「1段分離成功で喜んだ」というコメントもありました。なお、具体的なコマンドの中身や周波数は、高度な機密性から公開されていません。

 こうした、飛んでいる際の安全確保の仕組みを「飛行安全」、それに使われる装置や人員などシステム全体を指して「飛行安全系」といいます。これを司る施設は現在、種子島宇宙センター内の総合指令棟(RCC)に置かれています。

 指令破壊コマンドがロケットに届くと、機体に搭載された指令破壊装置が起動します。具体的には、火薬で燃料タンクを割るのです。これは日本のロケットに共通する仕組みです。指令破壊の目的は、ロケットを安全に落とすため、飛行を強制中断させる点にあります。そのために必要なのは、推力を断つこと。燃料タンクを割ってしまえばエンジンは止まるしかありません。

 なお、火薬はあくまで燃料タンクを割るために使うのであって、搭載された燃料に火をつけ爆破するのが目的ではありません。しばしば指令破壊イコール大爆発、というイメージを抱かれる場合もありますが、実際はかなり違います。

【もしかしたら残骸あるかも】H3ロケットの落下予想区域を示した地図ほか

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