H3ロケットも“爆破”「指令破壊」はなぜ行われるのか そのコマンドを送信する瞬間

2023年3月7日、打ち上げに失敗したH3ロケット1号機は遠隔操作で破壊されました。なぜ、このようなことが必要だったのか、「指令破壊」に至るプロセスと、そのやり方について解説します。

指令破壊後のロケットはどうなるのか

 指令破壊後のロケットは、地球上に落下します。この際、安全な場所に落ちるように事前に計画が立てられています。

Large 20230308 01
H3ロケットの概要。本体の両脇に付く小型の固体ロケットブースタが「SRB-3」(画像:JAXA)。

 H3ロケットの場合、SRB3(固体ロケットブースタ)は種子島東方沖、フェアリング(衛星カバー)は沖縄東方沖、第一段はフィリピン沖、というような計画となっています。

 ロケットの飛行コースは、人工衛星の目的とする軌道によって事前に決まり、ロケット各段を分離するタイミングも事前に計画が立てられています。すると、分離した各段が落ちる場所が計算でわかります。打ち上げ時は事前に国際機関を通じて海上も空中も航行の安全情報が出され、船や飛行機などはその時間に該当する区域を避けることになっています。

 機体は落下中に空気抵抗である程度バラバラになりますが、宇宙空間から再突入するわけではないため、燃え尽きることはありません。海面衝突時のショックで更に細かく破壊されたロケットの破片は、そのまま太平洋に沈みます。H-IIロケットでは海底から回収したこともありましたが、今回はその予定はないと言うことです。

 衛星打ち上げロケットの成功率は、世界的に見て90~95%が標準です。ましてや今回の打上げは正式に言えば「試験機1号機」です。とはいえ、搭載衛星の「だいち3号」は、初代「だいち」喪失以来12年ぶりの光学陸域観測衛星でしたから、とても残念でもあります。

 筆者(東京とびもの学会)としては、H3ロケットには今回の失敗を糧としてさらなる改良を行い、信頼性の高い機体に育って欲しいと願っています。ロケットは積荷の衛星がいてこその存在ですから、ユーザに選ばれるためには実績作りが大事です。また、打ち上げに失敗してしまった「だいち3号」にも、再打ち上げの機会が早く訪れるように祈ります。

【了】

【もしかしたら残骸あるかも】H3ロケットの落下予想区域を示した地図ほか

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス