リアル“農道のポルシェ”奇跡の現存 真っ赤なポルシェのトラクターが“日本製”のナゼ しかも動くぞ!
「ポルシェのトラクター」どうゲットしどう復活させたのか
経営者は、約10年前に知人から1台目を譲り受け、可動させるために交換部品を探していたところ、4~5年前にライセンス生産と思われる2台目を見つけました。そして、2台目を先に「動かすことができるだろう」と考え、購入したということです。
ちなみに、車体はどちらも赤色。1970年代後半、歌詞に「真っ赤なポルシェ」を入れた歌謡曲が大ヒットし、他メーカーの「赤い」トラクターのCMソングも好評でした。もちろん、そういった影響を受けたわけではないでしょうが、「ポルシェのトラクター」は赤色が多いのが印象的でした。
2台目の整備を終えたこの経営者は「外見に傷みはあったが、エンジンはかかったし調子は良かった」と振り返っており、シリンダー・ヘッドやバルブの調整をするなどエンジンを分解し、新品のように仕上げ直しました。ただ、やはり「ポルシェのトラクター」は多くの人の記憶から忘れ去られていたのでしょう。ナンバー申請のさい、担当者に「本当にポルシェの?」と首を傾げられたそうです。
実際に見る「ポルシェのトラクター」は、今の視点ではレトロなデザインです。それが一層、日本の農機具メーカーがどのように国内の農業振興に海外のトラクターを役立てようとしたか、考えさせてくれます。可動状態が末永く続くように願ってやみません。
【了】
Writer: 加賀幸雄(旅行ライター)
日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。
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