えぇぇ農業用!? アメリカ特殊作戦軍の軍用らしからぬ新型 なぜ選ばれた?
アメリカ特殊作戦軍が「武装監視」航空機に選んだのは、なぜか“農業用”の航空機でした。どのような点が魅力だったのでしょうか。その使い勝手は、軍用機らしからぬ見た目とは裏腹のようです。
特殊作戦軍の「アームド・オーバーウォッチ」とは?
アメリカ国防総省は2022年8月1日、アメリカ特殊作戦軍(SOCOM)が導入する航空機「アームド・オーバーウォッチ」(武装監視)に、L3ハリス・テクノロジーズとエアトラクターが共同提案していたAT-802U「スカイウォーデン」が選定されたことを明らかにしました。
アメリカ特殊作戦軍はISR(情報・監視・偵察)に使用する航空機として、スイスのピラタス・エアクラフトの単発ターボプロップ機PC-12に偵察用器材を搭載したU-28A「ドラコ」を運用しています。このU-28Aは非武装の純粋なISR機ですが、対地攻撃能力を持たせれば、味方の戦闘機や爆撃機、戦闘ヘリコプターの手を煩わすことなく、ISR活動中に発見した目標への攻撃と、地上で活動する特殊部隊の支援ができる――特殊作戦軍はこう考え、2020年にアームド・オーバーウオッチ計画を立ち上げています。
その導入にあたっての比較審査のため、アメリカ特殊作戦軍は2021年5月にAT-802Uを含む5機の候補機を購入しています。その中にはアメリカ空海軍が練習機として使用しているT-6「テキサンII」の軽攻撃機型AT-6E「ウルヴァリン」も含まれており、下馬評ではAT-6Eの採用が有力視されていましたが、最終的に特殊作戦軍はAT-802Uを選択したというわけです。
アメリカ特殊作戦軍は最大75機のAT-802U導入を計画しており、共同提案社のL3ハリスは、2023年6月に最初の6機が導入されると発表しています。
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