海自「P-1哨戒機」に新たな派生型が登場?「電子作戦機」開発へ

概算要求に盛り込まれた謎の「電子作戦機」の正体が明らかに。

P-1哨戒機をベースに「電子作戦機」を開発

 防衛省は、このほど公表した2023年度の政策評価書で、2024年度予算の概算要求に盛り込んだ「電子作戦機」について、海上自衛隊で運用しているP-1哨戒機をベースに開発することを明らかにしました。

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海上自衛隊のP-1哨戒機(画像:海上自衛隊)。

 防衛省は8月31日に公表した概算要求で、新規事業として「電子作戦機の開発」に140億円を計上。自衛隊の電子戦支援能力を強化する方針を示していましたが、この時点では機体の概要は明らかになっていませんでした。

 この「電子作戦機」は、電波情報の収集などを行う海上自衛隊のEP-3の後継機となる見込みです。EP-3はP-3C哨戒機の派生型で、今後は機体の維持が困難になることが想定されています。「電子作戦機」の開発は2024年度から始まる予定です。
 
 機体のベースになるP-1哨戒機は国産機として開発され、既にP-3C哨戒機の後継として導入が進んでいます。今回、「電子作戦機」がEP-3の後継機として位置付けられたことで、P-3Cの派生型もP-1の派生型で代替される形になります。
 
 防衛省は「電子作戦機」の開発にあたり、既存のP-1哨戒機や民生品を活用することで、開発期間を短縮してコスト削減を図る方針。遠距離から敵艦艇の展開状況を把握するほか、味方の艦艇や航空機の電子戦能力を向上させる能力も備えるとしています。

 ちなみに航空自衛隊は、既にC-2輸送機をベースにしたRC-2電波情報収集機を導入しています。2024年度の概算要求には、1機の追加取得費用として492億円が計上されています。

【了】

【画像】えっ…!これが「電子作戦機」のイメージです

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