“もはや別モノ!” 次世代イージス艦「ジャック・H・ルーカス」就役 最新レーダーは段違い
原型1番艦の就役は、なんと30年以上前。
従来艦とは格段の性能差あり
アメリカ海軍は2023年10月7日、フロリダ州タンパで最新のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ジャック・H・ルーカス」の就役式典を実施したと発表しました。
「ジャック・H・ルーカス」はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の75番艦で、原型、いわゆるフライトIといわれる初期建造艦と比べて、多くの改良が施されたフライトIIIと呼ばれるタイプのなかで最初に就役した艦になります。
特徴は最新のフェイズドアレイレーダー「AN/SPY-6」。これは、従来のフライトIやフライトIIに属する艦が搭載する「SPY-1」と比べて探知距離や精度、整備性などの面で格段に向上しています。
またSPY-6は、ソフトウェアの改修によって新たな機能を追加したり、能力の向上を図ったりすることができるのも特徴のひとつです。ソフトウェアの拡張機能を用いて、将来的に複数の艦艇によるレーダーの協調運用を可能にするといったことも計画されているようで、別々の艦艇に搭載されているSPY-6同士がリアルタイムで情報を共有することができるようになると、自艦のレーダーでは島影などに遮られて見えない海域があったとしても、そこを見ることができる別位置に所在する僚艦のレーダー情報を共有・統合することで、広大な範囲の状況図を作成できるようになります。
艦名は、第2次世界大戦末期に行われた硫黄島の戦いで、弱冠17歳ながら味方兵士3名の命を救ったアメリカ海兵隊員、ジャクリン・ハロルド・ルーカスに由来します。彼は第2次世界大戦における最年少での名誉勲章受賞者で、その勇気と栄誉を称え、命名されたそうです。ちなみに彼は戦後、アメリカ陸軍に再入隊し、今度は第82空挺師団の落下傘兵士になったとのこと。最終的に陸軍大尉で除隊しています。
同艦はこの後、カリフォルニア州サンディエゴに回航され、太平洋艦隊所属として実運用に入る予定です。
【了】
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