ながらスマホのミサイルを止めろ! 高速道路で深刻「工事帯に突っ込む車」対策あの手この手
高速道路で工事の規制帯に突っ込む事故が多発しています。道路管理者側も黙ってはいません。あの手この手で注意喚起を与え、被害を軽減しようとしています。
危険にさらされる路上作業員
高速道路上の工事規制へ衝突する事故が年々、増加傾向にあります。NEXCO東日本管内では、2021年に35件だった事故件数は、2022年に53件、そして2023年には上半期だけで37件に。作業員が死亡するケースも起こっています。
NEXCO各社は、「ながらスマホ」などで規制に気づかないドライバーに対する注意喚起を強めていますが、物理対策も強化しています。2023年10月12日(木)、NEXCO中日本が「i-MOVEMENTショーケース見学会」にて、その一端を報道陣に披露しました。
i-MOVEMENTはNEXCO中日本が様々な業務をDX化する取り組みです。人口減少による他業種との人材の取り合いが進むなか、業務の効率化を図るとともに、部門ごとの知見を全社的に“標準化”し、縦割りも打破しようとする狙いがあります。それには、工事に必要な「規制作業の標準化」も含まれており、「標準的な走行規制の例」に盛り込まれた様々な新開発の安全対策が今回紹介されました。
実際の規制は、標識類でその先の工事車線規制を事前に伝えたのち、ラバーコーンや矢印板を車線に対して斜めに配置し、規制車線を囲っていきます。この突っ込まれやすい規制の始点部「テーパー部」の安全対策は特に強化されています。
矢印板に取り付けたLED警告灯を連動させ、飛行場の誘導灯のごとく流れるように点滅させる装置や、特定の方向に遠方まで音を届けるホーンスピーカーを活用したシステムなど、文字通り「目と耳で」ドライバーへ注意喚起するシステムがつくられていました。
後者はワゴン車の荷台に構築されており、車両をその場に配置しリアハッチを開けるだけ。人が道路上へ出て設置する必要はありません。デモでは、「もっと離れた方がいいですよ」と言われましたが、規制される車線を走っていると、とんでもない大音量で警告音が響いてきます。
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