東武東上線の「異端車両」どうなる? ずっと“休眠状態”の車両に動き 9000型試作車
東武東上線を走っていた9000型電車の試作車、9101編成が車両解体場に回送されました。この編成は東武初のオールステンレス車両で、東上線ではある意味「異端」の車両として知られていました。
営業運転から外れていた「異端車両」に動き
東武東上線を走っていた9000型電車の試作車、9101編成の動向がSNSで話題になっています。9101編成は長らく営業運転から外れていた編成でしたが、2023年10月16日(木)に車両基地の森林公園検修区から寄居駅方面に回送された姿が目撃され、沿線自治体の寄居町も公式SNSで反応するなどしています。今後はどうなるのでしょうか。
9000型は、地下鉄有楽町線への乗り入れを目的に東武初のオールステンレス車両として製造され、1981(昭和56)年11月に試作車として製造されたのが、今回の9101編成です。
その後、1987(昭和62)年8月25日の有楽町線営団成増(現・地下鉄成増)~和光市間の開業にあわせて量産車(9102~9107編成)が登場し、同日から9101編成も含めて有楽町線への乗り入れを開始しています。
ただ、9101編成は量産車とドアの位置が異なるため、2008(平成20)年6月に開業したホームドアを備える東京メトロ副都心線には乗り入れず、2010(平成22)年に有楽町線でもホームドアの設置が始まったことから、地下鉄乗り入れを終了。東上線の池袋~小川町間で使われていました。東武鉄道によると、2021年6月以降は営業運転から外れていたといいます。
量産車(9102~9107編成)が副都心線直通に合わせてリニューアルされたのに対し、9101編成だけリニューアルされず、東上線でも異端の車両として動向が注目されていました。側面の方向幕が車端部にあるのが量産車との大きな違いでしたが、これもそのままとなっていました。
東武鉄道によると、「9101編成は北館林(佐野線)にある車両解体場に回送しました」とのこと。なお、詳細については回答できないとしています。
埼玉県寄居町の公式X(旧ツイッター)アカウントは2023年10月16日(月)に、「役目を終えた東武東上線の車両が寄居駅で一泊するそうです。長い間お疲れ様でした」と投稿。普段は9000型が乗り入れない寄居駅に9101編成が停車している写真を公開しています。その後に北館林へ回送されたとみられます。
【了】
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