「前例なきミニ新幹線」整備なるか “関西直通”を視野 新潟の「在来線“高速化”計画」4案の調査結果まとまる

新潟県は2025年8月、新潟-上越地域を結ぶ在来線の高速化に関する調査結果を公表しました。新幹線2路線と在来線にまたがって直通運転を行うという、前例のない「ミニ新幹線化」案に優位性が見出されました。

新潟県内の高速鉄道整備、4つの案を比較検証

 新潟県は2025年8月、昨年度に実施した「高速鉄道ネットワークのあり方に係る調査」の暫定結果を公表しました。この調査では、県内在来線の高速化に向けた4つの案について、需要予測と費用便益比を算出し、整備効果を検証しています。

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北陸新幹線上越妙高駅(画像:PIXTA)。

 新潟市を中心とした下越地域には上越新幹線が、上越地域には北陸新幹線が通っています。この「2大新幹線のはざま」になっている新潟市-上越地域のアクセスを改善するため、北陸新幹線の関西延伸も見据え、今後のあり方を話し合う検討会が2022年から6回重ねられてきました。

 今回、調査対象となったのは、JR信越本線やトキめき鉄道はねうまライン、北越急行ほくほく線などを活用した4つの案です。

最も優位性がある「上越妙高-長岡」案

 4つの案のうち、最も費用便益比が高いとされたのが、北陸新幹線の上越妙高駅から、えちごトキめき鉄道とJR信越本線をいわゆる「ミニ新幹線」化し、長岡駅から上越新幹線に乗り入れて新潟駅まで直通運転を行うという案です。新幹線2路線と在来線にまたがるミニ新幹線は前例がありません。

 上越妙高駅と長岡駅にはそれぞれ新幹線と在来線をつなぐ「アプローチ線」を整備、信越本線は犀潟-宮内間(約63km)に標準軌(新幹線サイズ)の線路を新設して単線並列化します。そのほかトキ鉄線や信越本線の他路線が乗り入れる区間は、新幹線・在来線車両の双方が走れるよう“3線軌”化します。整備区間内の停車駅は上越妙高、直江津、柏崎、長岡です。

 工事延長は約86kmで、概算工費は約1200億円(車両開発・購入費等は含まず)というこの案の費用便益比が、最も高い0.9~1.4程度と算出されました。

 上越妙高~新潟間の所要時間は、特急「しらゆき」と比べて37分短縮の1時間21分程度に短縮されるとのこと。運行本数は1日5往復、運賃・料金は5920円が想定されています。

 需要予測では、県間流動で年間66万人、県内流動で年間2万人の増加が見込まれ、合計で年間68万人の利用者増が期待されています。

※ ※ ※

 他3案は次の通り。

・上記のミニ新幹線化を上越妙高駅からではなく「糸魚川駅」からとする案。

・北越急行ほくほく線をミニ新幹線化して上越新幹線へ乗り入れ、柏崎-長岡間にシャトル特急を走らせて連絡する案。

・上越妙高―長岡間の線路を改良し、この区間だけで特急を走らせる案。

 このうち、糸魚川案は上越妙高案よりも工事延長が長く、整備費は約1500億円に。他2案は短絡線の整備などがあり、2000億円を超える試算でした。

 新潟県は今後、より調査を深めていく構えです。

【実現性アリ…?】これが新潟の「ミニ新幹線」案です(地図/画像)

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