プロペラ上下に2つ「二重反転ローター」どんな利点が? 米の次世代ヘリ「レイダーX」も採用 お尻にも何かあるぞ!
アメリカのシコルスキーが現在開発中の新型ヘリ「レイダーX」のプロトタイプは、珍しい二重反転ローターという形式になっています。ロータリーを二重にすると、どんな利点があるのでしょうか。
機体の小型化などのメリットあり
アメリカのシコルスキーは2023年10月10日、現在開発中の新型ヘリコプター「レイダーX」のプロトタイプを公開しました。この機体は、アメリカ陸軍が推し進めている「将来型攻撃偵察機」(Future Attack Reconnaissance Aircraft)の候補機として開発されたものですが、上下に回転翼がある二重反転ローターになっているのが特徴です。
あまり採用しているヘリコプターは多くありませんが、この二重反転ローターにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
二重反転ローターとは、同じ軸で上下に回転翼(ローター)があり、各々が逆方向に回ることで、胴体が回転するのを防いでいる方式です。
ヘリコプターには「作用反作用の法則」で、メインローターと逆方向に回転する力が働いているため、それを打ち消すための逆向きに推力を働かせるローターがほかについています。通常はヘリの尾部についている「テールローター」が一般的ですが、二重反転ローターの場合はその役割を上下のローターが担っているというわけです。
この方式にすると、ローターの回転軸がひとつで済むため、機体の全長を短くすることができます。これはロシアのカモフ(現:ロシアン・ヘリコプターズ)という会社が得意としている方式で、同社のKa-27は省スペースで済む艦載ヘリコプターとして成功し、民間用の機体は旧ソ連時代の東側諸国だけではなく、日本や韓国などの西側諸国でも使用されました。
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