プロペラ上下に2つ「二重反転ローター」どんな利点が? 米の次世代ヘリ「レイダーX」も採用 お尻にも何かあるぞ!
しかしデメリットもたくさん…
カモフは攻撃ヘリとしても、二重反転ローターのKa-50やKa-52を開発しています。テールローターよりもパワーロスが少なくローターの直径も短くできるため、高速化にも有利とされています。また、安定性も通常のヘリより高くなるため、多数の武装を空中で使用する攻撃ヘリとしても向いている設計でした。
ただ、シコルスキーが今回開発した「レイダーX」には、本来テールローターがあるはずの尾部に、もうひとつプロペラが付けられています。これは、推進プロペラとしての役割をするもので、既存のヘリコプターを上回る高速性と機動性を獲得しているとされています。こうした設計が可能になるのも、テールローターを必要としない二重反転ローターならではといえます。
ただ、メリットばかりではなく当然デメリットもあります。構造が複雑になりメンテナンスが大変になる点です。生産工程も複雑になるため、製造コストも通常のヘリコプターより高くなってしまいます。また、全長を短くすることには向いていますが、ローターを上下に付けるため、全高が高くなってしまうのも欠点のひとつです。
そのため、軍用機としても採用は限定的で、2023年現在、軍で運用されているのは、ロシア製のKa-27シリーズや、攻撃ヘリのKa-50、Ka-52のみとなっています。
アメリカの「レイダーX」は2023年中に初飛行を行い、2028年頃までにアメリカ軍での選定の可否が決まる模様です。珍しい二重反転ローター機として、正式採用になるのか注目です。
【了】
Writer: 斎藤雅道(ライター/編集者)
ミリタリー、芸能、グルメ、自動車、歴史、映画、テレビ、健康ネタなどなど、女性向けコスメ以外は基本やるなんでも屋ライター。一応、得意分野はホビー、アニメ、ゲームなどのサブカルネタ。
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