ポンピングブレーキを過去のものにした?「ABS」とは 実はクルマ以外が先行 遅れた理由は?

電子技術の発達で搭載可能に

 これを解決したのがコンピューターの発展でした。メルセデス・ベンツは、精密機器の製造を行っていたテルディックスを買収し、同社が研究していた当時最新鋭のコンピューター制御技術を結集して完成したのがABSです。

 メルセデス・ベンツのABSは強くブレーキペダルを踏み続けるとセンサーが感知し、ブレーキの力をクルマ側が制御して、タイヤのロックを防ぐというものでした。最初はベンツのSクラスに装備され、BMW 7シリーズがそれに続きます。当時は高価なシステムだったため、高級車でなければ採用は難しいものでした。

 日本では、1982年にホンダ「プレリュード」が搭載したことを皮切りに普及していきます。1990年代に入ると、ABSの製造技術まで含めた合理化設計を行うことでABSの値段が急激に下がり、クルマに標準装備される安全機構となります。

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ABSの急ブレーキでもハンドルが効くのABS最大のメリット(画像:国土交通省)。

 教習所で習うブレーキを複数回踏む方法「ポンピングブレーキ」はABSがあるから不要じゃないか、といった議論もよく起こりますが、それは、クルマ用のABSが案外長く実用化されなかったことと関係があるのかもしれません。

 日本では、2013年にバスやトラック、トレーラーといった大型車にABSが義務化され、2014年11月以降に新型車、2017年2月には継続生産車も義務化が実施されています。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 日本ではトヨタクラウンが最初だったと思うが、その後マークⅡにも。
    マ-クⅡで実際砂利道で急ブレ-キ踏んだところ、ペタルがガタガタと振動するような
    違和感のあるブレ-キ作動を体験した。その後ディ-ラで説明受け、これがABS作動だと聞かされた。
    その愛車も10年乗った頃からブレ-キ-がおかしくなり点検に出した。ABSピストンに錆び発生が原因だった
    今は大衆車にまで搭載されてるABS。これに助けられるような運転はしたくないですね