熊本~延岡つなぐ「九州中央道」県境手前の「山都通潤橋IC」まで一気に延伸開通へ "県境越え"まであとわずか
国宝に指定されたばかりの「通潤橋」へ熊本市から直結です。
内陸部の山都町まで到達
国土交通省 熊本河川国道事務所は2023年11月1日(水)、熊本~延岡をむすぶ計画の高規格道路「九州中央自動車道」のうち、熊本県東部の山都町中心部にある「山都通潤橋IC」までの10.4kmについて、開通日時を発表しました。年明けの2024年2月11日 16時です。
九州中央道は高千穂を経由して、文字どおり九州の中央部をほぼまっすぐ東西に通り抜けます。九州の東西高速軸は鳥栖~別府の「大分道」か、最南端の「宮崎道」しかありません。そのため現在「中九州横断道」(熊本~大分)とともに順次整備が進められています。
全線開通すれば、熊本県と宮崎県がより短時間で直結され、災害時の緊急輸送道路としての機能も期待されます。
九州中央道は3か所で分かれており、延岡からは13.1km開通済み、県境~高千穂周辺では約25kmが事業中(一部開通済み)、そして熊本の九州道からも順次伸びてきています。
その九州道からのルートが、山都中島西ICから一気に10.4km伸びたのが、今回の開通区間です。
熊本市から内陸部の山都町までは国道445号がありますが、ヒョロヒョロとした山道が続いていて、大雨などにより被災して通行止めが相次いでいます。通行止めは直近10年間で13回も発生し、緊急車両は国道443号・国道218号で美里町経由で南側へ大きく迂回を強いられている状況です。
御船町内の厳しい峠越えは九州中央道の延伸でクリアされましたが、その先が折しも、ことし7月の大雨で「金内橋」が落橋し、いまも通行止めが続いています。今回の九州中央道のさらなる延伸開通で、いよいよ安定した輸送ネットワークに期待がかかります。
宮崎県境まではあと約15kmを残すのみ。そのうち10.3kmの延伸部「矢部清和道路」工区はすでに事業中で、県境をまたぐ「蘇陽五ヶ瀬道路」工区も今月末に着工します。あいだに残る数kmの未事業化区間も、計画段階評価が進められており、概略ルートが決まれば、都市計画決定や環境アセスメントを経て事業化を待つ段階となります。
【了】
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