イスラエル「メルカバ」戦車にハマスが行った“驚きのローテク戦法”とは 最新の防御システム無力?

イスラム過激派組織「ハマス」が、最新の防御システムを備えるイスラエルの主力戦車「メルカバMk.4」に攻撃を加えました。それは、旧日本軍も行っていた極めてローテクな戦法。兵士の全力疾走がモノをいいます。

まさかの肉薄攻撃を実行!

 ガザ地区を実効支配しているイスラム過激派組織「ハマス」が、驚くべき方法でイスラエル陸軍の主力戦車「メルカバMk.4」に攻撃を加えました。それは、第二次世界大戦中の歩兵のように、戦車の近くまで生身で肉薄し、即席の爆発物(IED)を仕掛けるというものです。

Large 231108 niku 01

拡大画像

「トロフィー」を搭載した「メルカバMk.4」(画像:イスラエル国防軍)。

 旧日本軍では「肉弾攻撃」や「肉薄攻撃」といわれ、自爆攻撃も含め多用されました。しかし、ほかの国でも歩兵が持ち運べる対戦車兵器の登場は大戦中盤以降で、大戦後半でもパンツァーファウストやバズーカといった装備が使えなかった場合などは、手近な爆発物や手榴弾などを用いた攻撃が行われていました。

 戦後は、対戦車兵器がさらに発展し、現代戦においては歩兵が対戦車ミサイルまで携行できるようになり、そこまで肉薄するケースは減っていました。にも関わらず今回、肉薄攻撃が行われたのは、「メルカバMk.4」が搭載するアクティブ防護システム(APS)である「トロフィー」が関係しています。

 イスラエルの主力戦車「メルカバ」のMk.4以降に標準装備されている「トロフィー」は、対戦車ミサイルやロケット弾から車両を守るために、レーダーで感知し散弾を発射・迎撃するシステムとなっています。そのため、ハマスが所有するRPGなどの対戦車てき弾は同システムが作動した状態だと迎撃されてしまうのです。

【画像】えっ…!これが肉薄攻撃も見抜く「最新戦車のハイテク」です

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。