異色の「自治体まるごと県の飛び地」に長大トンネル貫通! 最後の「激狭酷道」解消へ!? 全通近づく「奥瀞道路」

秘境地帯をむすぶ酷道、最後のバイパス区間です。

国道169号のバイパス「奥瀞道路」

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整備中の奥瀞道路(画像:国土交通省)。

 国土交通省 紀南河川国道事務所は2023年12月5日(火)、和歌山県北山村で整備中の「奥瀞道路(3期)」の中心となる「2号トンネル」(長さ1620m)が貫通したと、公式SNSで発表しました。

 北山村は、全国でも珍しい「自治体そのものが県の飛び地」になっています。周辺でしか取れない珍しい柑橘類「じゃばら」でも有名です。熊野本宮のある熊野川町から北東へ、三重県の中へ「熊野川町の飛び地」「北山村」と2つの大きな飛び地が存在しています。

 これらの飛び地は、熊野川上流の深い谷間「瀞峡」にそって、国道169号で結ばれています。かつてはすれ違いも難しい、崖っぷちの狭隘な道路でしたが、「奥瀞道路」という事業名で、トンネル主体のバイパス整備が進められてきました。

 2008年に1期工区が全通し、2015年に南側の2期工区が全通。いま進められているのが最後の3期工区で、ここが完成すれば、北山村手前の「狭隘1車線道路」はすべて解消されることとなります。

 その3期工区のうち、短い1号トンネルはすでに完成済み。そしてメインである長い2号トンネルが、ついに貫通したわけです。残るは、トンネルの仕上げ作業と、瀞峡を渡る2本の橋の建設です。橋は橋脚工事の段階で、そのあと橋桁が架けられれば、開通まであと一息となります。

 同事務所は開通を祝って喜ぶ関係者の様子を投稿するとともに「今後も安全に工事を進めて参ります」としています。

【了】

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