いよいよ開業「第二の黒部ダムルート」 かなりガチな“秘境探検”に! ルート/金額/運行回数は

気になるその内容は…割と「ガチ」だった

 黒部宇奈月キャニオンルートは、まず黒部峡谷鉄道の終点・欅平駅からスタートします。

 別のトロッコに乗り換え、目の前のトンネルに入ると、すぐ先に「エレベーター」が待ち受けています。これに乗り換えて一気に200mも上昇。エレベーターの床には線路があり、貨車をそのまま積み込むことも可能となっています。

 エレベーターを降りるとトンネルが遥か先まで続いており、別のトロッコで再出発。ここから6.5km、バッテリー機関車に牽引されて、狭い客車のギリギリサイズの狭いトンネルを延々と奥へ進んでいきます。

 ハイライトは、当時の工事作業員を苦しめた「高熱隧道」区間でしょう。通過時は実際に蒸し風呂のように暑く、温泉のような匂いもします。現在はトンネルが貫通して空気が通るので、危険な熱さではありませんが、雰囲気を十分に体感できます。

 第二のハイライトが、途中でトンネルを抜けて黒部川を鉄橋で横断する「仙人谷駅」です。鉄橋部の「ホーム」はシェルターで覆われていますが、両側は吸い込まれそうな深い谷。上流側には巨大な「仙人谷ダム」がそびえ立っています。大自然と巨大人工物が対峙する、非日常の極みのような絶景。しかし駅には駅名標と時刻表もあり、たしかにここは鉄道風景です。このギャップはここ以外では楽しむことはできないでしょう。

 そのすぐ先は、黒部川第四発電所。展示施設では巨大なタービンをはじめ、厳しい自然に立ち向かった土木技術の歴史を知ることができます。

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欅平で終点となる黒部峡谷鉄道(乗りものニュース編集部撮影)。

 第三のハイライトは、終点の黒部川第四発電所前駅から乗り換えるケーブルカー、通称「インクライン」です。見るからに異様な急勾配「67.4%」で、まるで絶壁の直登のように、暗闇の中を20分間延々とのぼり続けます。登りきると標高1325mに達します。

 のぼりきった「インクライン上部駅」からは、10.3kmにもおよぶ長いトンネル「黒部トンネル」を、電気バスで一気に走り抜けていきます。その先は、長野県側からやってくる電気バスの黒部ダム駅の地下ターミナル。立山黒部アルペンルートとの合流地点です。

【画像】これが「黒部宇奈月キャニオンルート」の絶景と驚愕のルートです

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