伝説の超音速旅客機「コンコルド」、実は試作機は結構仕様が違った? とにかく恐ろしく速かった!!
長きにわたり定期旅客便に就航した世界唯一の超音速旅客機「コンコルド」は、初飛行を実施した試作機と、その後の量産機では、仕様にかなりの違いがあります。
大きさも窓も変わりまくり!
イギリス・フランス共同開発の「コンコルド」は、長きにわたり定期旅客便に就航した世界唯一の超音速旅客機で、その存在はいまや“伝説”になりつつあります。初飛行は1969年3月2日でしたが、実はこのときフライトした試作機と、定期便で使用された量産機では、機体の設計において明らかに異なるポイントが存在します。
「コンコルド」量産機は、試作機から主脚長や重量、胴体の長さなど、さまざまな箇所の設計などが変更されました。
たとえば「コンコルド」の大きな特徴のひとつである、可動式の機首も変更が図られた点です。同機は離着陸時、その特性上、ほかの旅客機より大きく上向きの姿勢を取る必要があります。そこで下に折れ曲がる機首を採用することで、離着陸時の視界を確保しています。
量産機は、その機首可動部の上部、ちょうど高速飛行などの際に機首をまっすぐにしたときにコクピット窓と重なる部分「バイザー」の設計を、試作から一新。バイザー部の窓を大きくし、本来のコクピット窓とバイザーが重なっても、視認性が悪化しないように工夫が図られています。また、客室窓もスマートフォン程度の小さいものに変えられました。
結果として、量産型「コンコルド」の全長は62.19m、翼幅は25.56mとなり、巡航速度はマッハ2(時速にして約2200km)が打ち出されています。
こうして誕生した「コンコルド」はBA(ブリティッシュ・エアウェイズ)とエール・フランス航空2社で各7機、計14機が導入され、BAによると同型機における最速の大西洋横断記録は1996年2月7日のニューヨーク発ロンドン行きで、2時間52分59秒だったそうです。ちなみに2024年現在、同路線の時刻表上における飛行時間は7時間5分です。
その一方、機内や座席は、他機に比べて非常に小ぶりなものとなっています。2社とも客席は100席を設けましたが、横2-2列の配置でした。しかしながら、特別な機内サービスや機内食、専用の空港ラウンジなどが用意され、運賃の高さも特別なものだったとされています。
【了】
コメント