エンジン16基&翼が明らか変!“超異形”の新型航空機、なぜこの形に? よくある「電動ヘリ」とは全く違うらしい
16基ものプロペラを備え、枠のようになった独特の形状「ボックスウイング」をもった航空機の開発がアメリカで進められています。なぜこのような設計なのでしょうか。
俗にいう「空飛ぶクルマ」とは違う
アメリカの新興企業Odys アビエーションでは、都市間を結ぶ9人乗り航空機の開発を進めています。同機の外観の特徴としてなにより際立つのが、16基のプロペラ、そして、胴体前部と後部に伸びた翼の翼端がつながり枠のようになった独特の「ボックスウイング」です。なぜこのような設計なのでしょうか。
同機は、ひし形の枠のなかを胴体が貫くような形状となっており、一見して大きなドローンに見えなくもありません。この機体は、ハイブリッド電気垂直離着陸(VTOL)航空機とされ、最高速度は約550km/h、航続距離は最大約750マイル(約1200km)で、高度3万フィート(9144m)を巡航できるというスペック。短距離路線では巡航能力を落とすかわりに、全電動による運航も可能としています。
また、垂直離着陸が可能であることから、空港はもちろんのこと、ヘリポートにも発着できるといいます。ハイブリッドとすることで、国内では「空飛ぶクルマ」に分類される一般的なeVTOL(電動垂直離着陸機)ではなしえない航続距離や、乗客定員の増加を達成するとしています。
そして、多くのVTOL機はプロペラの方向を変えることで垂直離着陸をしますが、この機ではプロペラの方向は変えず、翼の後方の「フラップ」とよばれる動翼を使って、プロペラの後方へ流れる空気の方向を下方向に変えるのだそう。このことで垂直方向に推力が働き、垂直離着陸が可能になるという仕組みです。なお、16基のプロペラは冗長性確保のためとされ、翼の各部分で推力の調整も可能であるとされています。
なお、この機の試作機の公開などは現状されていませんが、すでに韓国の企業からの発注も獲得しているとのことです。もしかすると近いうちに、このユニークな機体の初飛行が見られるかもしれません。
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