間もなく竣工「韓国イージス艦version2.0」弾道ミサイル搭載ってどう使うの? 軍&政府の意図は

「3軸体系の中核戦力」になる予定

 以前、韓国防衛事業庁は「チョンジョデワン」について、「最新のイージス戦闘システムを搭載し、弾道ミサイルに対する探知、追跡だけでなく、迎撃能力まで保有し、洋上を機動する3軸体系の中核戦力として活躍する」と説明していました。
 
 この3軸体系とは、「北朝鮮のミサイル発射の兆候に対する先制攻撃」「韓国型ミサイル防衛(KAMD)」「そして北朝鮮の中枢に対する大量反撃報復(KMPR)」を指し、現行の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権下ではこれら3施策の実現に向けた予算措置や、効率的な指揮・統制が行えるよう「戦略司令部」と呼ばれる3軍統合司令部の創設が決まっています。

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環太平洋合同軍事演習「RIMPAC」で他国艦船と艦隊を組む「チョンジョデワン」(画像:韓国海軍)。

 また、近年では独自に「玄武4」や「玄武5」といった弾道ミサイルの開発を行っているほか、2021年には潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射試験に成功したと韓国国防部は発表しています。

 先に述べた「チョンジョデワン」のK-VLS-IIで運用が想定されている弾道ミサイルは、これらの発展型と見られ、もし仮に実現した場合、同級駆逐艦では地上目標への打撃能力も大幅に強化されるでしょう。

 弾道ミサイル迎撃能力だけでなく、報復のための弾道ミサイル発射能力、そして巡航ミサイルの運用能力まで獲得する「チョンジョデワン」が就役するのは間もなくです。

【了】

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Writer: 深水千翔(海事ライター)

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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