三セクだけどまるで新幹線気分!? 「なんかヤバイ!」個性爆発の列車も走る40km“越県”路線とは?

岡山県の第三セクター鉄道「井原鉄道」は、ほかでは見られない特徴をいくも持つ鉄道です。その車窓や個性的な車両など、井原鉄道の魅力を探ります。

見晴らしが良すぎる!

 岡山・広島の両県にまたがって走る第三セクター鉄道「井原鉄道」の井原線は、他の地域では見られない特徴をいくつも持っています。

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井原鉄道IRT355形気動車「夢やすらぎ号」(安藤昌季撮影)

 井原線は、JR伯備線の総社駅とJR福塩線の神辺駅を結ぶ41.7kmの鉄道路線です。

 元々この井原には1913(大正2)年、当時の井笠鉄道が山陽本線の笠岡から鉄道路線を開業していました。矢掛に至る支線の矢掛線も後に開通しており、現在の駅とは位置が異なるものの井原や矢掛まで鉄道が通じていました。

 1966(昭和41)年、国鉄は伯備線の総社から井原を経由して、神辺に至る井原線を着工します。これに合わせて井笠鉄道は廃止され、一部の線路の土地は、井原線に転用されることになりました。ところが1980(昭和55)年、国鉄再建法により建設中止に追い込まれます。

 岡山県・広島県と周辺自治体は井原線を完成させるべく、1986(昭和61)年に井原鉄道を設立。1999(平成11)年に総社~清音~井原~神辺間の全線開業にこぎ着けました。第三セクター鉄道というと、国鉄やJRの路線を継承しているイメージがありますが、井原鉄道は完全な新線として誕生した比較的珍しいケースです。

 実際どのような鉄道なのか、乗車しました。

 2026年1月の木曜、清音10時31分発・井原行きに乗り込みます。多くの列車は総社始発ですが、この列車は1駅先の伯備線と井原線が分岐する清音始発です。清音出発時点で6人が乗車していました。

 車両は、戦国武将のイラストが大きく描かれている「戦国列車」です。この地域が、関東で大勢力を築いた後北条氏の祖といえる北条早雲(伊勢宗瑞)の生誕地であることにちなんだもので、途中の「早雲の里荏原駅」とともにアピールしています。

 車内はつり革が兜の形をしていたり、家紋や歴史について書かれた中づり広告があったりなど、楽しい雰囲気。側窓はきれいで、座席も座り心地が良く手入れが行き届いています。

 清音駅では、伯備線から井原線への乗り換え時間が短いため、「運賃は車内で支払うように」と中間改札で案内されました。

 井原線の列車は、清音を出発するといきなり大きな鉄橋で高梁川を渡ります。川辺宿は乗降なし。吉備真備で1人乗車・1人下車。どちらも高校生です。ここまでずっと高架線で、新線で造られたことを実感します。新幹線のように見晴らしが良い路線です。列車も80km/h以上ですが、乗り心地も良く速達性にも優れています。

 三谷で1人乗車。矢掛では9人乗車・2人下車と大きな動きが。11時ちょうどの早雲の里荏原で5人下車。筆者(安藤昌季:乗りものライター)も下りて井原鉄道の車両基地を取材します。

【個性派ぞろい】これが井原鉄道の「装飾」列車です(写真)

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