間もなく竣工「韓国イージス艦version2.0」弾道ミサイル搭載ってどう使うの? 軍&政府の意図は

韓国にとって4隻目のイージス駆逐艦が間もなく就役する予定です。ただ、これまでの3隻からは性能が大幅に向上しているそう。さらには、巡航ミサイルだけでなく弾道ミサイルまで搭載する計画も。ドコを目指しているのでしょうか。

イージスシステムは最新の「ベースライン9」

 韓国海軍は2024年現在、4隻目のイージス駆逐艦を建造です。同艦の名前は「正祖大王(チョンジョデワン)」。ただ、これまで建造された3隻とは異なり、さまざまな点でアップデートされており、性能向上が図られているといいます。

 そもそも、韓国海軍としては、北朝鮮が開発を進める核兵器やミサイルの発射を警戒しつつ、海上戦力の強化が著しい中国や、竹島の領有権問題で係争中の日本と対峙せねばならず、整備や訓練のローテーションを考えた場合、イージス艦3隻体制では限界がありました。このため、弾道ミサイルの探知、追跡、迎撃が可能で、北方限界線を越えて侵入してくる潜水艦も探知でき、万が一の場合は水上艦や地上目標に対する遠距離攻撃も可能な新たなイージス艦を欲していました。

 こうした背景からKDX-III/Batch-2として建造が決まったのが「チョンジョデワン」で、2024年末までに竣工する予定です。なお、続く2番艦と3番艦も防衛事業庁が現代重工と建造契約を結んでいます。

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2022年7月28日に進水した韓国の新型イージス艦「正祖大王(チョンジョデワン)」。写真は進水式の様子(画像:大韓民国海軍)。

 同艦には韓国が直面している脅威に全方位的な対処が可能な装備が施されています。満載排水量は1万455トンで、船体寸法は全長170m、全幅21m。全長と幅は海上自衛隊のまや型護衛艦と同規模です。

 イージスシステムは最新の「ベースライン9」を採用し、弾道ミサイルを迎撃できる「スタンダードSM-6」も当初より搭載します。現代重工によれば多機能位相配置レーダー、赤外線探知・追跡装備、電子光学追跡装備などにより、世宗大王級より探知・追跡能力が2倍以上強化され、統合ソナーシステムによって潜水艦探知距離は3倍以上拡大されているといいます。

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