自衛隊の輸送船部隊「大拡充」なぜ? 民間船も巻き込み4年で一大勢力に “本気度”感じる驚きの計画
統合輸送部隊の大拡充も
また、2025年度の概算要求では中型級船舶(LSV)1隻(80億円)、小型級船舶(LCU)1隻(64億円)、機動舟艇1隻(58億円)の取得費用も計上されました。3隻とも2027年度の就役を予定しています。
これに付随して、防衛省は2024年度予算で南西地域の離島へ車両や人員を輸送する専門の部隊として「自衛隊海上輸送群」(仮称)を2025年3月に新編すると明記しています。なお、部隊は広島県の海上自衛隊呉基地に配置される予定で、2027年度末までにLSV2隻とLCU4隻、そして機動舟艇4隻の計10隻を取得する計画です。
航空機による輸送に適さない重装備や、一度に大量の物資などを輸送するためには船舶を使用するしかありません。さらに国民保護という観点からも、人や車両を多く乗せ居住性も良好なフェリーは最適でしょう。PFI船舶の拡充と海上輸送群の誕生は、南西有事に備えた自衛隊の本気度の現れなのかもしれません。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
コメント