長さ10km超の「石狩ロープウェイ」は実現するか “初の自走式”検討 有力ルートは地下鉄駅に接続?
都市を結ぶロープウェイが、北海道の石狩市で検討されています。
路線バスしかない石狩市
石狩市(北海道)が、札幌市への新たな公共交通として「軌道系交通機関」の導入を検討しています。
石狩市は札幌市の北側に位置し、石狩湾に面しています。現在、市内の公共交通は事実上路線バスのみであり、軌道系交通の構想は以前からあるものの採算面などから実現していません。
路線バスは運転手不足による減便があり、道路は積雪時に渋滞するなど課題を抱えています。そこで市は、安定した移動手段を確保するため、官民連携によって市の負担を軽減できる軌道系交通の導入可能性を探っています。
2024年2月に示された報告書によると、普通鉄道、モノレール、LRT(次世代型路面電車)、都市型自走式ロープウェイ、BRT(バス高速輸送システム)+BHLS(バス・ハイレベルサービス)の5つを、事業費・実現可能性・環境負荷・定時制・速達性の観点で比較。その結果、市の状況を踏まえると、都市型自走式ロープウェイの導入が適していることが明らかになったとしています。
都市型自走式ロープウェイは、具体的にはZip Infrastructure社の「Zippar」を指します。一般的なロープウェイと同様、用地取得は少なくて済む、上空を通るため積雪の影響を受けないといったメリットがあるほか、既存のロープウェイと違ってロープとゴンドラが独立しているため、カーブや分岐を自由に設けられるのが特徴です。
ただ、現在は同社が開発を進めている段階であり、これまで営業路線として実現した事例はありません。
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