国際物流ピンチ!? “超重要ルート”の海軍が「故障だらけで機能せず」世界が懸念 「海賊きたらどーすんだ…」
予算を増やせと言ってるけど……。
ちゃんと動く主力艦艇は2隻!
南アフリカの安全保障に関する特別委員のニコラス・ゴッセル氏が、同国の全国州評議会で、海軍艦艇の稼働率に悪さに関して懸念を表明したことが2024年11月19日、現地メディアの報道で明らかとなりました。
ここ数年、南アフリカ海軍は組織として稼働率が著しく低下しており、主要な艦艇はヴァラー級フリゲート1隻とウォリアー級哨戒艦1隻しか満足に動いていません。同軍の潜水艦であるヒロイン級潜水艦3隻に至ってはどれも整備中で機能しておらず、巡視艇などの小型な船舶の稼働率も怪しいようです。こうした事態を招いた大きな原因は、不況による慢性的な国防予算の不足です。
この予算不足に加え、世界情勢の大きな変化が南アフリカの危機感を強めています。2023年10月に始まったイスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を拠点とする武装組織「ハマス」の戦闘により、紅海ではハマスと連帯を表明したイエメンの反政府武装組織「フーシ派」による商船に対する攻撃が激化しています。
そのため紅海を通る必要のある「スエズ運河経由」での輸送を断念し、大西洋からアフリカ大陸を大きく回り、南アフリカの喜望峰を通りインド洋へ向かう「喜望峰経由」を選択する商船が増えています。
海運が活発化すれば、違法行為を行う船も増加します。南アフリカ海軍はこの情勢の変化に予算の制約により対応できておらず、武器や物資の密輸を行う船や、商船を狙う海賊船などを監視するパトロール能力が著しく不足していると報じられています。ほかのアフリカ諸国の海軍も、北アフリカ諸国を除き大型艦艇を保有していない国が多く、この警戒強化は最優先に位置付けられているようです。
そうした経緯もあり、ゴッセル氏は2024年1月の時点で、大統領と国防省に対し、国防予算をGDPの約0.7%から1.5%に倍増するよう勧告したことを改めて強調しました。
ただ、同じく陸軍、空軍の予算も同国では不足しており、特に陸軍では「海軍の装備はそもそも過剰気味」という声もあるようです。
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