日本最大の客船!?「ディズニークルーズ」で東京が激変か “街まるごと”規模のフネがやってくる“意味”
注目を集めているディズニークルーズの拠点が、東京国際クルーズターミナルに決まりました。ほぼ間違いなく日本最大となるクルーズ船であり、受け入れ条件はかなりシビア。受け入れる側も、それなりの“覚悟”が必要です。
毎回「4000人」を運ぶ・食べさせる・楽しませるために
ディズニークルーズの拠点となる港には14万総トン級のクルーズ船が頻繁に出入りするため、接岸が可能な岸壁はもちろんのこと、短期間で入れ替わる4000人もの乗客を受け入れられるターミナル設備と、大量に消費される食料などの搬入、そして船員の交代など高頻度の運航を支えるバックアップ体制が必要とされています。
また、乗船客などがすぐに移動できるよう主要駅や空港へのアクセスに加え、乗客を運ぶバス、タクシーの手配についても考慮に入れなくてはいけません。
こうした条件を考えると、ディズニーの新造船が入港できるのは東京港の東京国際クルーズターミナルか、横浜港の大黒ふ頭客船ターミナルだけでしたが、軍配が上がったのは東京港の方となりました。
東京国際クルーズターミナルのバースはクルーズ船がメインですが、大黒ふ頭客船ターミナルが置かれているバースには大型クルーズ船だけでなく輸出向けの自動車などを積載する外航自動車船も入るためスケジュール調整が難しく、ショートクルーズ中心のディズニークルーズとは相性が悪かった可能性があります。
また、大黒ふ頭周辺は物流施設で占められ交通手段も限られていることから、今後のアピールを考えると都心に近く、乗船客の見送りや船を見学する人も訪れやすいエリアが望まれたとみられます。
小池百合子東京都知事は会見で次のように話しました。
「乗客の定員が4000人、14万総トン級の大規模なクルーズ船が東京港を主な発着地にする。クルーズ観光が都民にとってより身近になることで、臨海副都心地域のさらなる賑わいや経済効果も期待できる。これから乗船されるお客様やクルーズ船を見学される方、船員の皆様など多くの利用者にとって魅力的で、使いやすいターミナル作りを進めていく」
東京国際クルーズターミナルは東京オリンピック開催をきっかけに整備された施設で、長さ430m、水深11.5mの岸壁を持っています。レインボーブリッジの“外側”に位置し、橋の高さ制限を受けないため世界最大級のクルーズ船も受け入れられるようになっており、2024年には同港に寄港したクルーズ船としては一番の大きさとなる乗客定員5655人の「MSCベリッシマ」(17万1598総トン)が入港しました。
また、イタリア海軍の練習帆船「アメリゴ・ヴェスプッチ」の寄港時はターミナルビルで大規模なイベントも開かれています。お台場エリアからは東京都心や羽田空港、東京ディズニーリゾートへのアクセスも便利なため、ディズニーのクルーズ船によるさまざまな需要が期待できるでしょう。
【了】
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