「あ、ここ“新名神”か!」 京都の“1区間だけ”なぜ開通してるの? あるとないとじゃ大違いのミニ区間 延伸はいつ?

滋賀・京都・大阪を東西に貫く予定の新名神高速。そのなかで1区間だけ開通しているのが、「城陽ー八幡京田辺」です。今も新名神であることすら分かりにくい状態ですが、なぜここだけいち早く開通したのでしょうか。

新名神「大津―高槻」あいだが1区間だけ開通してる

 滋賀・京都・大阪を東西に貫く新名神高速の工事が進んでいます。大津JCTから高槻JCTまでの約40kmは、各種構造物もかなりできてきています。

 といっても、約40kmのなかで1区間だけ開通済みの区間があります。2017年に開通した京都府内の「城陽JCT/ICー八幡京田辺JCT/IC」区間3.5kmです。

Large 20241208 01

拡大画像

新名神の京都で1区間だけ開通している城陽ー八幡京田辺間(乗りものニュース編集部撮影)。

 この区間は案内標識にも一応「新名神」の表記はありますが、地図上でも短すぎて、新名神であることがわかりにくいかもしれません。なぜここだけ開通したのでしょうか。

 城陽ー八幡京田辺区間は、「京奈和道」と「第二京阪道路」をつないでいます。京奈和道は城陽から奈良方面の木津ICまで延びる道路。第二京阪は、名神に代わって京都と大阪を結ぶ大動脈として、2010年に全通しています。

 新名神のこの区間は木津川を渡りますが、木津川に架かる一般道の橋は非常に少なく、8km近く間隔があいています。木津川の東岸から新名神を介して直接的に、第二京阪で大阪方面へ出られるのは、城陽など奈良線・近鉄京都線の沿線にとって非常に便利です。

 それだけでなく、この城陽ー八幡京田辺区間は、広い意味の“京都縦貫道”の一翼を担っています。

 道路としての京都縦貫道は、第二京阪の久御山JCTから、府北部の天橋立方面へ、文字通り京都を“縦貫”する路線です。

 さらに第二京阪の「久御山ー八幡京田辺」「新名神」、京奈和道の「城陽ー木津」を全て合わせると、南北に長い京都府のほぼ端から端まで高速道路でカバーされます。

 このため、京都府にとって新名神の第二京阪と京奈和道を連絡する区間は、高速道路のいわゆる「ミッシングリンク」(つながらない区間)を解消するうえで、是が非でも譲れなかったわけです。

 というのも、この区間前後の新名神は、着工が一時“凍結”されていた区間でした。

【いまでも超便利!?】新名神「ポツンと開通区間」と「全体」(地図/写真)

最新記事

コメント