ありそうでなかった「究極のテレワーク場」!? 新クルーズ船「MITSUI OCEAN FUJI」みてきた クルーズ市場の火付け役に

日本のクルーズ「群雄割拠」時代へ突入か

 商船三井クルーズは今後、「にっぽん丸」と「MITSUI OCEAN FUJI」の2隻体制で運航していくことになりますが、商船三井グループでは2027年以降に3万5000総トン級の新造船を2隻導入することを計画中です。

「まず2隻でしっかりと安全安心に、そしてお客様に喜んでいただけるようなクルーズを安定的に提供していきたい。新造船については、どれだけ私どもが評価いただけるか、たくさんのお客様に乗船していただけるかがポイントになるが、2隻で終わりということはない」

 向井社長はこう話し、より多くのクルーズ船を運航していくここと明言しました。「にっぽん丸」は年間2万5000人から3万人弱が乗船していることから、1隻当たり同水準の年間乗船者数を見込みます。

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会見する向井社長(深水千翔撮影)。

 2025年には日本郵船グループのLNG燃料クルーズ船「飛鳥III」が、2027年には両備ホールディングスのスモールラグジュアリー船が、そして2028年にはオリエンタルランドが発注した14万総トン級となるディズニークルーズの新造船が予定されています。「飛鳥II」と「にっぽん丸」の2大巨頭となっていた日本のクルーズ市場は、一転して群雄割拠の時代を迎える見込みです。

 向井社長が「国内外のさまざまなブランドがクルーズを提供していくことが、日本のお客様にとって、クルーズを身近なものにしていくきっかけとなる。マーケットが広がればクルーズ利用者は増えていく。当社はこれを好機ととらえている」と語るように、「MITSUI OCEAN FUJI」の船出は日本のクルーズ市場の活性化に向けた一つのポイントとなるでしょう。

【了】

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