台風で断たれた高知への線路 運休長期化か

列車が流される被害も

 1972(昭和47)年7月5日には大雨の影響で、土讃線の繁藤駅(高知県)構内で土砂崩れが発生。停車中の列車が流されて避難中の乗客、住民など合わせて60人の死亡者を出す「繁藤災害」が起きました。

 また1998(平成10)年9月24日には、台風7号や秋雨前線による豪雨のため土讃線の各所が被災。全線復旧は3ヶ月後の12月25日でした。

 このほかにも古くから土砂災害に遭遇することが多く、「土惨線」とも表現された土讃線では、1962(昭和37)年に国鉄の「土讃線防災対策委員会」が設けられ、路線のルート変更、トンネル化、地滑り対策などが行われてきました。そうした努力によって人的被害は近年出ていませんが、土砂災害を克服するのは難しいのが現状です。

 お盆、そして高知の「よさこい祭り」という、JR四国のかき入れ時に発生した今回の災害。復旧費用と合わせて、JR四国に与える影響は少なくなさそうです。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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