目立ってナンボ!「俺を見ろ」爆撃機なぜ生まれた? 発煙弾やライトで故意にアピールまで
第2次世界大戦期、ヨーロッパ戦線の大空には、いまでは考えられないほどのカラフルでド派手な塗装を施した、とても目立つ軍用機が飛んでいました。まさに目立つことこそが目的だったというその塗装、もちろん理由があります。
派手すぎる軍用機、もちろんワケあり
一般的に軍用機というと、迷彩塗装をはじめとして地味なカラーリングをまとっていることが多いです。一部には塗料でコーティングせず銀色に光る金属の地色そのままの機体や、尾翼に派手な部隊表記を施したものも存在しますが、それらよりもさらに上を行くド派手なカラーリングが施された軍用機が第2次世界大戦期に存在しました。

それはヨーロッパ戦線で用いられたアメリカ軍爆撃機で、なんと水玉や市松模様などを身にまとっていたのです。もちろんほかと比べ目をひくので、敵に狙われやすくなりそうですが、その派手な塗装はまさしく目立つために、あえて施されたものでした。
なぜ、戦争中にわざわざそうする必要があったのでしょうか。
第2次世界大戦中、アメリカとイギリス両軍の大型爆撃機部隊は、ドイツ本土の爆撃を行うにあたり、アメリカが昼間、イギリスが夜間と役割分担をしていました。
アメリカ軍はB-17およびB-24の、2種類の重爆撃機を用いてイギリスの飛行場を拠点にドイツを爆撃しましたが、昼間の爆撃は夜間と比べて目標に対する命中精度は良いものの、迎え撃つドイツ側からしても迎撃しやすく、その戦闘機による攻撃は熾烈でした。
そこでアメリカ軍は、爆撃機の編隊を「コンバットボックス」という密集隊形とし、近付くドイツ軍戦闘機を、複数の爆撃機の銃座からの濃密な弾幕で追い払おうとしました。
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