【日本の高速鉄道 その誕生と歴史】第11回「新幹線試験用車両」

東海道新幹線開業50年を目前とした今、乗りものニュースではどのようにして新幹線が計画され、開業に至ったのかを振り返ります。第11回は「新幹線試験用車両」です。

試験用車両落成

 200km/hを超える速度での営業列車運行は、新幹線開業以前では雲を掴むような話で、実車による走行試験は必要不可欠なものでした。鴨宮モデル線区の建設と同時に、国鉄の鉄道技術研究所と国内の車両メーカー5社(日本車輌・汽車会社・川崎車両・近畿車輛・日立製作所。後に東急車輌も加わる)がプロジェクトを組み、試験用車両を開発。昭和37年(1962年)に1000形が完成します。

 1000形は2両編成のA編成と4両編成のB編成の合計6両で、すべてがモーター付きの電動車。170kwの主電動機(モーター)、電空併用電磁直通空気ブレーキ、風洞実験による流線型の鋼製車体など、その後の新幹線車両の基礎となる形式になりました。高速走行時の蛇行動が問題になった台車については、仕様の異なる様々なものを採用することで解決に向けた研究開発が行われています。

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1000形の試験用車両の各編成とその特徴

 また1000形には外吊り式のプラグドアや、連結部全体を覆うホロ、運転室窓の曲面ガラスなど、0系には採用されなかった新たな試みも多数存在しました。

 この1000形の試験結果を受けて、初代営業用新幹線車両の0系が誕生します。また0系のうち先行試作車として製造された6両はC編成として、1000形と共に開業前の試験走行に従事。開業後は通常の0系と同様に営業運転に使われました。

試験用車両その後

 東海道新幹線の開業後、A編成は救援車941形へ、B編成は電気試験車922形、いわゆる「ドクターイエロー」(T1編成)へそれぞれ改造されました。そして両車とも昭和50年(1975年)に廃車となり、廃車解体設備の試験切断に供せられました。最後まで、試験用車両としての運命をまっとうしたと言えます。

 またC編成として試験走行も行った0系の先行試作車は、廃車後にその一部車両が大阪の交通科学博物館内に静態保存されました。交通科学博物館は平成26年(2014年)4月に閉館していますが、そこに保存されていた0系の先行試作車は、平成28年春に開業予定の京都鉄道博物館に収蔵される可能性が高いと思われます。

【第12回:試験走行に続く】

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