アメリカで「ネコミミ新幹線」実現なるか?

アメリカのカリフォルニア州で高速鉄道計画が進行中で、JR東日本などの企業連合が「新幹線」を売り込んでいます。採用されれば、日本では試験で終わってしまった「ネコミミ」が登場するかもしれません。

日本320km/hでアメリカ350km/hがなぜ可能なのか

 アメリカ・カリフォルニア州で進行中の高速鉄道計画について、2014年10月にも車両を選定するための国際入札が行われる見込みです。

 そこで2014年9月4日(木)、訪米しているJR東日本の清野会長が車両メーカーなどと企業連合を作って入札に参加する方針を表明。車両だけでなく信号、通信設備も合わせて受注し、「新幹線システム」を輸出することが目指されます。

 カリフォルニア州の高速鉄道は最高時速220マイル(約350km/h)で、サンフランシスコとロサンゼルス近郊の約840kmを2時間40分で結ぶ計画です。

 しかし現在、新幹線でもっとも速いスピードで営業運転を行っているのはJR東日本の東北新幹線「はやぶさ」と「こまち」で、320km/hです。はたしてそれで、カリフォルニアでの350km/h運転が可能なのでしょうか。

 東北新幹線の最高速度がまだ275km/hだった2005(平成17)年、JR東日本は試験車両のE954形「FASTECH 360 S」を製造しました。その名の通り、将来的に東北新幹線で360km/h運転を行うことを目的にした試験車両で、設計最高速度は405km/h。2009(平成21)年まで様々な走行試験が実施されました。

 その結果を受けて2011(平成23)年から営業運転を始めたのが、東北新幹線の「はやぶさ」に使用されているE5系車両です。ただその最高速度は、360km/hではなく320km/hでした。

 なぜ360km/hを実現できなかったのか。その主な理由として列車が発生させる騒音が挙げられます。360km/h走行自体は可能でも、騒音の基準をクリアすることが難しかったのです。

 ただ沿線の環境は、狭く住宅地の多い日本と、土地に余裕があるアメリカでは大きく違います。線路の状況などによって変わるため一概には言えませんが、騒音が問題にならなければ、たとえ日本で350km/h運転を行っていなくとも、それを実現するのは決して非現実的な話ではないのです。

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