長崎新幹線に間に合うか? 連日続くフリーゲージトレインの「3モード耐久走行試験」

1998年に一次試験車が製造された、新幹線も在来線も走れる「フリーゲージトレイン」。2022年を予定している長崎新幹線の開業に実用化を間に合わせるべく、三次試験車を使った走行試験が九州で連日続けられています。

0時6分から23時57分まで続く走行試験

 この「3モード耐久走行試験」では、2年半でおよそ60万kmを走ります。そのため走行試験ダイヤも濃密です。深夜の0時6分に発車して、一定の区間を何度も往復しながら23時57分まで丸一日、走っていたりします(日によって異なるほか、走行しない場合もある)。

 この丸一日続く走行試験は鹿児島本線の宇土~八代間(熊本県)、九州新幹線の熊本~鹿児島中央間で行われており、運が良ければ出会えるかもしれません。鉄道・運輸機構によると「試験列車の撮影にあたっては、線路敷地外にて、一般の利用者に支障しないよう、また列車運行を阻害しないよう、お願いします」とのことです。

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ドアの下にステップがせり出す「FGT」の試験車両(2014年11月、恵 知仁撮影)。

 ちなみに「FGT」は新幹線も在来線も走ることができますが、新幹線の車両規格は大きく、在来線は小さいため、小さいほうの在来線規格で製造されています。車両が新幹線規格では、在来線を走るときにホームなどへぶつかってしまうからです。

 よって在来線サイズで小さい「FGT」車両が新幹線ホームへ入った場合、ホームと車両のあいだにすき間が発生することから、「FGT」のドア部分はステップがせり出し、そのすき間をふさぐ構造になっています。同じく車両が小さい在来線規格に合わせられている「ミニ新幹線」の山形・秋田新幹線と一緒です。

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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