列車ダイヤの空白を突く「イオン鉄道輸送研究会」専用貨物

12月の日曜日に臨時運転される、JR貨物とイオン鉄道輸送研究会の専用貨物列車。「日曜日」というのには意味があり、実はこの列車、ダイヤを上手く利用していたりします。

異業種が集まる「イオン鉄道輸送研究会」

 今日2014年12月14日(日)と来週の21日(日)、JR貨物とイオン鉄道輸送研究会によって東京~大阪間に専用の貨物列車が臨時運転されます。

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茶畑広がる静岡県内を行く東海道本線の貨物列車(2010年2月、恵 知仁撮影)。

 「イオン鉄道輸送研究会」とは、イオンの物流を担うイオングローバルSCMが幹事を務める研究会。今回、イオンと同研究会に参加するネスレ日本、アサヒビール、花王、江崎グリコといった異業種の企業が集まり、共同で専用の貨物列車を運行します。

 その目的としてイオン鉄道輸送研究会は、年末の旺盛な輸送需要とトラック不足のなか、鉄道コンテナ輸送へのシフトで安定した輸送を実現すること、そして環境負荷の少ない鉄道貨物輸送を行い、各協賛企業とイオンによる環境活動メッセージを発信することを挙げています。

 同研究会では今回、東日本もしくは西日本に立地するイオンのプライベートブランド「トップバリュ」製造委託メーカーから集荷した商品を、この専用貨物列車へ集約。東日本から西日本へ、また西日本から東日本へ輸送します。そして今後も同研究会を通じ、業界を越えたモーダルシフトを積極的に展開。参加企業の増加、ニーズに応じた弾力的な列車運行を実現していくとしています。

 「モーダルシフト」とは、国内の貨物輸送をトラックから大量輸送機関である鉄道や海運に転換することです。それにより環境負荷の低減、またエネルギー問題や少子高齢化に伴う労働力問題の解決が目指されています。

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コメント

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1件のコメント

  1. ・臨時列車を走らせるには様々な手間がかかり簡単なことではないこと、

    ・本来日曜日運休である列車を日曜日に走らせることは臨時列車と比べて手続きが容易であること、

    非常に興味深い着眼点ですし列車の運行制度をうまく活用した事例だと思います。そういう事柄を記事にしているので、個人的にはとても秀逸な記事だと感じました。