東海道新幹線スピードアップ メリットは時間短縮以外にも
実は日本一速い東海道新幹線
東海道新幹線は1964(昭和39)年10月1日の開業当初、最高速度210km/hで東京~新大阪間を4時間で結んでいました。そして線路などの状況が安定するのを待ち、翌1965(昭和40)年から東京~新大阪間で3時間10分運転を開始します。最高速度は同じです。
1986(昭和61)年、最高速度が220km/hにアップして、東京~新大阪間の所要時間は2時間52分と初めて3時間を切りました。1988(昭和63)年には同じ最高速度のまま、2時間49分へさらに短縮されます。
1992(平成4)年、所要時間が一気に縮まりました。「のぞみ」誕生です。最高速度が270km/hへ一気に50km/hも向上し、東京~新大阪間の所要時間は2時間30分に。そして2007(平成19)年、カーブに強い「車体傾斜装置」を備えたN700系が登場すると、同じ最高速度のまま所要時間2時間25分を実現します。
そして2015(平成27)年、23年ぶりに東海道新幹線の最高速度がアップして285km/hになると、最短所要時間は2時間22分。開業翌年の1965年に本格運転を始めたときと比較し、所要時間はおよそ4分の3まで減る見込みです。
ちなみに、東海道新幹線で記録された最高速度は443.0km/hです。JR東海が制作した955形試験電車「300X」が、米原~京都間で1996(平成8)年7月26日に達成しました。この数字は超電導リニアモーターカーを除いて、現在でも日本国内最速です。
「300X」は名古屋市にあるリニア・鉄道館、また米原駅(滋賀県)付近にある鉄道総合技術研究所(鉄道総研)に保存されており、現在も見ることができます。また鉄道総研にある「300X」は、米原駅から京都駅方面へ向かう新幹線の車窓左側にも登場します。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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