縮小していく車内販売、現在は変革の時か 今後は「必要でないもの」を売る場に?

JR東日本は3月のダイヤ改正で、一部列車について車内販売を終了すると発表。JR西日本でも同じダイヤ改正で特急「くろしお」から車内販売がなくなるほか、JR東海では在来線の車内販売自体が2013年に終わりました。近年、次々に姿を消していく車内販売。しかし発想を転換した新しい取り組みも始まっています。

現在は変革の過渡期? 発想を転換する車内販売

 ジェイアール西日本フードサービスネットはそうした車内販売の現状を踏まえ、新しい動きを始めています。

 従来の車内販売は「車内で必要なモノを売る」という考え方でした。それを車内は乗客に対する「プレゼン」の場であるという認識のもと、直ちには「必要でないモノも売る」という考え方に発想を転換したのです。

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「逸品厳選」の「倉敷デニムポーチ(2個セット)」。山陽新幹線の車内販売限定商品(画像提供:ジェイアール西日本フードサービスネット)。

 そして山陽新幹線で広島の「熊野筆チークブラシ」(3200円)や、国産デニム発祥の地である岡山のジーンズメーカーが制作した「倉敷デニムポーチ(2個セット)」(2700円)など、質の高い周辺地域の名産品を「逸品厳選」と銘打って車内で販売。乗客から好評を得ているほか、売上自体も伸びているといいます。

 近年は寂しい話題の多い車内販売ですが、現在は変革の時なのかもしれません。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

1件のコメント

  1. 情けない時代や、食堂車・ビッフェどころか車販さえもない特急列車。JR-Wの看板特急のサンダーバードさえも。