トヨタはなぜ燃料電池車の発売を急いだのか
多くの仲間が必要な燃料電池
もちろんトヨタだってそのあたりの事情は100%認識しています。すぐ実用化されるとも考えていません。だからこそ「ミライ」と名付けたのであり、決して「アシタ」だと思っていないということでしょう。ミライといえば少なく見積もって20年。そのくらい掛かると覚悟しているワケです。
ただ「自動車」という商品にして販売しないと、いつまで経ってもその未来は訪れません。人間だって生まれた時は役に立たないばかりか、むしろ手が掛かって大変です。新しい技術も同じです。特に燃料電池のような画期的かつ高度な技術を熟成させるには、長い長い時間をかけなければなりません。
燃料電池には素晴らしいポテンシャルがあるはずです。やがて自動車だけでなく鉄道車両などでも実用化されるかもしれません。「ミライ」に搭載されている燃料電池は155馬力。小型で100kgしかありません。これを2つ搭載するだけで310馬力のディーゼルエンジンと同等です。大量の排気ガスを出す建設機械などのパワーユニットとしても有望でしょう。
トヨタは2015年1月に燃料電池の特許の無償供与をするという発表をしました。これは富士山登山でいえば、誰でも登れる5合目までの道を作ったのと同じです。これにより多くのメーカーで、燃料電池車の開発が可能になりました。
トヨタ広報に聞くと「燃料電池を1日でも早く実用化するには仲間が必要です。いろいろな企業で開発すれば良いアイデアもたくさん出てくると思います」といいます。燃料電池を上手に、順調に育てられれば、日本は石油枯渇や地球温暖化と無縁な素晴らしいパワーユニットを手に入れられるはずでしょう。
【了】
Writer: 国沢光宏
Yahooで検索すると最初に出てくる自動車評論家。新車レポートから上手な維持管理の方法まで、自動車関連を全てカバー。ベストカー、カートップ、エンジンなど自動車雑誌への寄稿や、ネットメディアを中心に活動をしている。2010年タイ国ラリー選手権シリーズチャンピオン。
国沢さんの文体とは思えない。
「燃料電池」「水素動力」と言うから別物に聞こえるけれど、
考えようによってはリチウムイオンバッテリーのリチウム活物質(電気の元)が
水素に置き換わっただけという物なんですよね。
それを電気車であれば「充電」として電気の形で押し込む
燃料電池であれば「充填」として水素ガスを押し込む。それだけの違いです。
電池に「活物質」を供給するのが効率良いのか、「電気」を供給するのが
効率が良いのか・・・?
高圧圧縮や安全面を考えると電気のほうに分があるとおいらは考えます。
イメージイラストのメカニズムも決してコンパクトとは思えないですね。
なんだかんだ言って電気が一番扱いやすいエネルギースタイルなのは
間違いないでしょう。
電気自動車に分があるでしょうね。
電池容量も一気に2倍近くにあげた
物が2016から2017年あたりには出てくる。
また、新しい基軸としてレドックスフロー電池を使った電気自動車も
開発されており一回の充電で1000キロの走行が可能。
面白いのはこの電池、中の電解液を充電済みの電解液に入れ替えるだけで即満充電にすることが可能な点。
ガソリンを給油するように電気を給電できる。
どんなにひいき目に見ても水素自動車に将来性はない。